日々のあぶく？

受賞者作品読みました。
文芸春秋、初めて買いましたよ(2人の作品前文掲載してるのでした)

蛇にピアス/金原ひとみ
舌ビアス、刺青、ＳＭ、暴力(殺人)などがクローズアップしてるようだが、何だろう…うまくいえないな
けれども、そういう過激な事が主題じゃない
確かに人体改造部分などは読んでいるだけで痛い
でも、過激な様でいて、純愛小説だった
ルイとアマ、いなくなって分かる存在の重さ
ルイとシバ、求めたものは…？
アマとシバ、…？

まぁ、選者の誰かも書いていたが、ラストが甘い、とは思う。
だが、そのぶん余韻があって、あからさまな結論で終わるよりは良かったのかもしれないとも思う

過激、だけど、どこか純真で、そんな登場人物たち(ルイ・アマ・シバ)に好感が持てる作品


蹴りたい背中/綿矢りさ
クラスに溶け込めないというか、周りと(無理に、自分をごまかしてまで)迎合したくない主人公と
同じようにクラスから孤立している様でいて、周りに頓着していないアイドルオタクの同級生にな川との交流(？)、
そこで湧き上がる思いなどを淡々と描いている。

居場所のない居心地の悪さが酸っぱい感じ
選評に世界が狭いとある。
でも、周囲と限りなく狭い範囲でしか関わらない
（自分で自分の殻に閉じこもっている感あり。
あ、でも違うな、もっともどかしい思いがあるんだろうな
閉じこもりたい訳でなく、自分にある意味、正直でいた結果だな）
ならば、その視界も自然に狭くなり、そこを描くのだからコレは必然と言うか、仕方ないと言うか、そうとしかならないのでは。

どこかしら、思ったことがある、感じたことがある思いが散らばっている感じ。
すんなり読める。

ただ、夏休みに予定がないことがそんなに不安だろうか？
一緒にいる人たちとそれなりの付き合いで、一人の時間を大切に、の捕らえ方もあるような
いや、それは人それぞれだよな


授賞式の時の対照的な2人の服装通り、小説も相反する世界、別世界の内容
同世代受賞でもコレだけ違う(当たり前かもしれないが)、面白い
掲載順は蛇に～、蹴りたい～で正解(単に五十音順だったのかもしれないけど)。逆だと、悪くないんだけど、読後感が痛いところもあるからなぁ