日々のあぶく？

暗黒面の乙一である。
GOTHはGothicの略だそうな。
GOTHIC(形)1　ゴート人(族、語)のような、2　ゴシック派の(怪奇・超自然などを特徴とする)、3　ゴシック体の、4　中世風の、野蛮な、粗野な　
　　　(名)1　ゴート語、2　ゴシック建築(美術)、3　ゴシック体
などなどの意味がある。
が、それとはあまり関係がなく、(GOTHとは)文化であり、ファッションであり、スタイルである。
人間を処刑する道具や拷問の方法を知りたがり、殺人者の心を覗き込むもの。
人間の暗黒部分に惹かれる者達がGOTHと呼ばれる。のだそうだ。

僕とクラスメートの森野夜がそれだ。
僕は他人といる時は周りに溶け込み、明るく面白い人間で通っているが、
森野夜は普段から笑わず、必要以上喋らず、ただ、同じ嗜好を持つ僕とだけは喋ることもある。
ただ、森野と僕は同じようで正反対なのだが…

暗黒系　GOTH：猟奇殺人事件が起こり、犯人の手帳を見つけた僕と森野は死体を捜しに森へ行く。
リストカット事件　wristcut：自殺のことではなく、手首切断魔の話
記憶　twins：森野夜の過去、彼女の双子の妹、夕の自殺の真相とは
犬　Dog：犬の誘拐殺害事件勃発。ユカを守るのは…？
土　grave：箱、庭、埋める。箱の中身は？
声　voice：姉を殺された夏海の前に現れた少年が差し出したテープには殺される直前の姉の声が。

以上6編の短編集。
コレだけでも暗黒度高し。
GOTHはブラックでも、ZOOはちょっといい話であろうと予想して借りたのだが、
両方ともブラック、血だらけでした。
乙一の光と影の影と闇の詰まった小説なので、彼のソフトな話が好きな人にはお薦めできない。
まぁ、展開は用意に予想できるように描かれているので、気持ち悪くても怖さは少ないとは思うが。

僕、は正当防衛も兼ねて手を汚せるし、その上、ばれない、安全圏にいる。
森野は危ない人に狙われやすい体質。
その点でも正反対だ。
土では嗤う伊右衛門を思い出させるラストだったなぁ。