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May 31, 2005
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嗤う伊右衛門と巷説百物語の間の物語。
時期的には嗤う~の後、大きな力に立ち向かって失敗した又市が再び表(闇の表)に出てきた頃の話。
一応、御行の又市シリーズ、ではあるが、仕掛けをする又市の影はあるが、
実際に姿を見せて描かれるのは九化けの・事触れの治平。
そして、又市と活動する前の手妻師・徳次郎もちょっと顔をみせている。

小平次モノの怪談を聞いたことがなかったのだが、
沼で死んだ小平次が殺した男や妻、または横恋慕した女の元に
いつまでも付きまとうように化けて出る、という話らしい。
(復讐奇談安積沼などが関連文献として出ている)
ま、それを料理するのは京極夏彦、タダでは終わらない。
しかも、仕掛ける又市が噛んだらもう!

死んだように生きる役者小平次、普段は押入れの中に引きこもり、
少しだけ開けた襖の隙間から薄く(自分の存在を)して生きている。
そこから見えるのは成り行きで夫婦を名乗っているお塚の姿くらいだ。
役者としては大根だが、幽霊役をやらせたら名人という小平次に奥州興行への声がかかる。
その興行には裏があった。仕掛けに使われるのは一体誰か?
仕掛けは一見成功するが、そこで生まれ、表に出てきた心の闇があった。
荒神棚の多九郎、女形の歌仙、そこに人斬り・動木運平も加わってくる。
嫉妬、執着、無情、恐怖、愛憎が折り重なり、小平次殺害への動きが高まっていく。

殺されたのかと思われた小平次が、江戸に一足先に帰ってきていた?
広まる怪談、幽霊譚、それぞれに人には言わない過去があった。
二重三重に折り重なり迎える終演には何が残っているのか。

仕掛けた後も気にかける又市の影が奥州の仕掛けの後(の江戸)にも現れる。
今回は盗賊解散後の治平が事触れの治平としてもう一度、今度はずっとそうして生きていく、という決意表明をする場に立ち会える。

「信じるてことは、騙されても良いと思うこと。信じあうって事は、騙し合う、騙され合うという意味。
この世は全部嘘だらけ。真実とは全部騙されたやつが見る幻。」
「人はそれぞれ自分のことを騙して、騙って生きていくしかない。
それが出来ないのは楽ではないが、それがそうならそのまんまでいればいい」
「歴史は語ることで太る。なぜなら歴史とは、全て騙りの積み重ねだ。」
「語ることで厚みが出る、そこに存在する」
「良く出来た偶然を、後講釈で因縁と呼ぶ。」





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Last updated  May 31, 2005 10:22:00 PM
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