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日々のあぶく?

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July 30, 2005
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カテゴリ:
現代モノの短編集。

新宿・伊勢丹の裏にある酒場「酒場」にあつまる曲者ぞろいの常連達。
そんな集団を毎日相手する店長だってもちろん只者ではない。
そんな彼らが百円ショップで手に入る「とっても不幸な幸運」の缶を空けると・・・

のり子は缶を買う・
店長・小牧洋介の義理の娘・のり子は中学生。
母の亡き後は祖母に引き取られていたが、祖母も亡くなり、洋介と暮らすことになった。
ある日、「とっても不幸な幸運」の缶を買った彼女、あけてみたら母の影を観たという。
信じない洋介に怒り、無言の抵抗をする彼女を洋介は店に連れてきた。
その原因を探ろうとする常連達、その時、何も入ってないはずの缶からきのこが出てきた!?
缶が原因となってはいたが、のり子が求めるものは違うところにあった。
         
飯田はベートーベンを買う・
常連の医師・飯田の親族だという男・正也が「酒場」を訪れる。
飯田の"不滅の恋人"を暴き出し、彼の不貞を死に際の彼の妻・美月に知らせたいと思う彼。
常連に遊ばれながらも辿り着く真相とは?

健也は友の名を知る・
「酒場」で働く健也は店長に拾われたも同然で働き出した。
優しい両親に馴染めない自分、そんな彼がある日缶を開ける。
そこで明るみに出て来たのは一時期の記憶が欠落している自分の姿。
忘れた友人の正体とは?

花立は新宿を走る・
警察官の花立は「死神」を捕まえようと躍起になる。
臆病で小さな事件しか起こさないわりに「死神」が関わると必ず死人が出るという。
そんな中「死神」が「爆弾魔」と手を組んだと一報が!?

天野はマジックを見せる・
マジシャン天野が「缶」を開けるとそこには女の影が。
彼の記憶に沈む過去とは?

敬二郎は恋をする・
「酒場」の前店長・敬二郎とウエイターの洋介と癌の宣告を受けたみずきの三角関係の行方は?

推理は出来ても、問題解消の手助けは出来ても、解決まではしない。
そんな、後は自分自身と時間にゆだねた終わり方の数々。
「缶」をきっかけにした連作だが、「酒場」のメンバーというだけで立派に繋がるし、
魅力的なメンツなので、「缶」の存在はちょっと薄い。
ものごとはいいこと悪いこと、不幸と幸運が詰まっている。
それが人生ってモノだ。
淡々としている筆致は作者の持ち味だが、彼女らしい話かといわれると、疑問も残る気がする。
やはり、時代物の方がしっくりくるという説を覆すまでにはいかなかったなぁ~。





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Last updated  July 30, 2005 05:03:39 PM
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