カテゴリ:本
やさしい死神・
「口入屋」 才色兼備の女中のところへそれぞれ夜這いをかけようとした一番番頭と二番番頭。 しかし、その途中でそれぞれが倒れそうな戸棚の端と端を支えて夜が明けてしまう。 御寮人に見つかって一言「引越しの夢を見ております」 「死神」 死神に出会った男は死神のいる位置で人が死ぬかどうかが分かると教えられ、医者となって財を成す。 しかし、金が足りなくなった男は枕許に死神がいたらもう手遅れ(その人は死ぬ)と分かっていて布団の向きを変え、患者の命を伸ばして金を得る。 そんな男の許に再び死神が訪れ、死神を騙したために短くなった男の寿命をあらわす蝋燭を差し出す。 (このサゲはいろいろあるらしいが、この話で使われていたのは以下) 新しい蝋燭に人つけようとする男、しかし… 「消してたまるか。この(新しい)蝋燭に…。あ、駄目だ。消える…」 無口な噺家・ 「桜鯛」 とある大名の殿様、いつもはそんなに食べない鯛をいたく気に入りお代わりを命ずる。 (お代わりを)準備してなかった家来は殿様の目を桜に向け、その間に鯛をひっくり返す。 しかし、殿様はその鯛を二箸くらい食べ、再びお代わりを命ずる。 弱り果てた家来に殿様が一言「ふむ、もう一度、桜を見ようか」 (その頃の殿様は魚を全部食べるなんてことはなく、二箸三箸つけたらお代わりになるという時代背景があってこその話) 話の中ではここで殿様は家来のしたことに気付いていたかどうかもポイントとなり、ラストに絡んでくる。 「宿屋仇」 寝不足の侍は宿で静かな部屋を希望する。 しかし、隣に来たのは若者三人、どうしたって五月蝿くなる。 その中で若者が冗談でした殺しの話、その話を聞いた侍が実は出会い仇であると言い、朝一番で踏み込むと言い出す。 真っ青になる若者。 次の日朝一番に侍は出立しようとする。 気を揉む宿屋の主人に侍が一言「(嘘でも言わねば)また夜通し寝かしおらんわい」 「三枚起請」 三人の男に夫婦になるという起請文を渡した芸者・小てる。 「あだに起請を一枚書けば、熊野で烏が三羽死ぬというが、おまえみたいに起請文を書き散らしていたら、熊野中の烏が死ぬな」 と男達に詰め寄られた彼女は世界中の烏を殺したいと返す。 その真意を問われて一言「烏殺して、ゆっくり朝寝がしてみたい」 「芝浜」 呑んだくれの亭主が拾った財布を隠したおかみさん。 三年後、大金を拾ったのが夢だと思い、性根を入れ替え、酒を断って働くようになった亭主に真実を告白する。 おかみさんに亭主が一言「(酒を飲もうとしたのを寸前で止め)よそう。また夢になるといけない。」 「饅頭こわい」 何がこわいか言い合う中で饅頭が怖いと嘯く知恵者の話。 「つる」 何でも知っていると大見得を切ったご隠居は鶴の語源を聞かれ、苦し紛れの答えを返す。 それを聞いた八っつぁんは熊さんのところへ行ってその話をするが、どうも上手くいかなくて…。 幻の婚礼・ 「子別れ・下 子は鎹(かすがい)」 吉原に通い詰め、妻子に出て行かれた飲んだくれの大工熊五郎は酒を辞め、仕事に打ち込む。 三年後、偶然一人息子・亀吉と再会した熊五郎は小遣いを渡し、鰻を食べに行く約束をする。 家で亀吉の持つ金をみた母親は息子が盗んだと思い、父親の代わりだと言って玄能で彼をぶとうとする。 しかし、ことの真相を知りった母親は父親(もと亭主)に会いに行き、二人はやり直すことに。 「子は鎹」だと言うおかみさんに息子亀吉が一言「あたいが鎹?ああ、道理で昨日、玄能であたいの頭をぶつと言った」 へそを曲げた噺家・ 「富久」 酒で失敗した久蔵は富くじを買う。 ある日、以前働いていた越後屋が火事と知り、おっつけ駆けつける(そこで活躍すれば再び雇ってもらえるかと思って)。 そこで彼はあろうことか酒を飲んで寝てしまう。 その時、今度は久蔵の家の方で火事だという。急いで帰るが焼けた後。 焼け出された久蔵は越後屋の世話になるが、そこで以前かった富くじに当たっていた事を知る。 火事で焼けてしまったと思っていた富くじだが、近所の人の親切で太神宮に避難してもらっていたことが判明。 久蔵はその当たった千両を太神宮のお陰だから方々の人へ払うと言う。 「宿屋の富」 自分は金持ちと法螺を浮いて無銭飲食をしようとした男が買った富くじが当たった! 驚き喜ぶ宿屋の主人の焦りをたしなめるが、当の本人が一番驚いていたと言う話。 「試し酒」 酒飲みが主人に五升飲んだら褒美をやるといわれ、少し考えさせてくれと申し出て外へ。 しばらくして帰ってきた男は五升飲み干す。 何故外へ出たか問われて男が一言「五升なんて飲んだことなかったから、(表の酒屋で)試しに五升飲んできました」 紙切り騒動・ 「親子酒」 飲兵衛親子が互いを非難する。 酔っ払った親子の言う事には 父「酒毒が回っておまえの顔が四つある、そんな化け物に、大事な家は譲れないぞ」 息子「こんなぐるぐる回る家、貰っても仕方がない」 どれも抜粋された小説のさらに抜粋なのでこれだと面白さは伝わり難いかもしれないが、小説を読むと実際聞いて見たくなる話ばかりだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 18, 2005 05:20:41 PM
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