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January 19, 2006
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タイムリーにも読んでる途中で直木賞受賞。(東野圭吾「容疑者Xの献身」…図書館予約中…待ち遠しい)
ラジオで今まで彼が(ノミネートされても)受賞できなかったのは
以前、彼に女の子を取られたかなんかと言う審査員の一人・渡辺淳一氏の反対が強かったからといっていたそうだが、本当だろうか?マユツバモノ??

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の男・桐原洋介が殺された。
男は質屋を営んでいたため、容疑者は何人も浮かんだが、決定打はなく事件は迷宮入りする。
その一年ほどあと、「容疑者」の一人だった西本文代が事故とも自殺とも取れる死に方をしていた。
暗い目をした被害者の息子・桐原亮司と人目を引く美しい容姿を持つ「容疑者」の娘・西本雪穂、
まったく別々の人生を歩んでいるはずの彼らだが、彼らの歩む先には暗い影を持つ犯罪がいくつも起こる。
「証拠」はないまま19年の歳月が過ぎようとしていた―

自分の手を汚すことも厭わず、暗い道をひたすら歩み続ける亮司と
賞賛と憧れ、才色兼備の名をほしいままに明るい道を歩いているかに見える雪穂。
だが、二人とも昼間の"光"を焦がれ続ける。
彼らの歩むはまやかしの太陽、白夜の中の道。
特に雪穂の周りでは彼女に関わり、彼女を妨害しようとしたり、賞賛を浴びたり、嫌うもの、手足を引っ張るものが次々に襲われる。
充分やっていけそうななかでも、ささいな遮断も徹底的に取り除く。
周りの人間による描写で、雪穂や亮司が一人称を取ることはなく、
彼らの心情は分からず、状況証拠だけが積み重なり、だんだん不穏な空気を察する人間も出て来る。
それすらも排除し、または周りの人間が距離を置いたりしていくのだが、
一時は雪穂の親友・江利子と付き合い、雪穂の前夫は友人、現夫を叔父に持つ篠塚成一や、
最初の事件の担当で、退職後も彼らを追う刑事・笹垣がだんだん「真相」に近づいていく。
そして、雪穂と亮司の接点に辿り着いたかに見えるラストに亮司が選んだ道は―

彼らの心情の吐露はなくとも、茨の道に棘を自ら課していくような生き方を見ているだけで切ない。
渇きがどこまで行っても癒えずに走るしか、落ちていくしかない。
特に亮司はまやかしでも光の中を歩いているように見える雪穂の影の半身となって、徹底的に闇を歩く。
「昼間を歩きたい」ふと漏らした告白が胸を打つ。

ドラマ化されているらしいが、キャストがイマイチ自分の中(のイメージと)で馴染まないので観ないだろうなぁ…





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Last updated  January 19, 2006 10:12:20 PM
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