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August 9, 2006
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長谷川保険調査事務所でもうすぐ定年を迎える村越努はオールマイティの調査員である。
忙しい年明け、足りない人手のため引き受けた最後の仕事はグローバル損保からの〈死亡事案〉。
傷害保険の契約者・原田勇治が、契約の3ヵ月後にホームから線路に転落し、轢死。
保険適用ならば3000万円の保険金が支払われるのだが、
12月24日の事故からわずかの時間、年明けに遺族から保険申請があったこと、
孫の由香(2歳)が難病に冒され、心臓移植手術を海外で受けるための費用がいることなどから事故を装った自殺が疑われる。
同行することになったグローバル損保のサラブレット社員・竹内主査は自殺を疑うあまり、全ての視点をそこにつなげようとしてくる。
自殺の一応の推定が成り立てば、保険適用にはならない。

孫の病気に加え、借金の存在も明らかになり、状況としては自殺説が濃厚になる。
重要な目撃者の行方もわからぬまま、しっくり行かない村越は一人調査を続ける。

一応の推定とは―
自殺そのものを直接かつ完全に立証することが困難な場合、
典型的な自殺の状況が立証されれば、明白で納得の得られるものであればそれで足りる。

第13回松本清張賞受賞作品。

分かりやすく、きりりとした印象のある小説でした。





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Last updated  August 11, 2006 05:14:09 PM
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