テーマ:ミステリはお好き?(1425)
カテゴリ:本
LE Fantome de L’Opera
早川書房版 映画の感想は→コチラ 劇団四季の舞台を観た時の感想は→コチラ ようやく原作。 作者が当事者の証言を集め、怪事件の真相の陰に怪人の存在があることを突き止めたという体裁をとっている。 順序を入れ替えたりしているが、大道具係の死、カルロッタが蛙の声になる、シャンデリアの落下、 クリスチーヌの父の墓での出来事、誘拐などはわりとそのまま舞台・映画でも使われている。 すでにミュージカルを知っているのでどうしても映像、歌つきで読み進めてしまう。 悪くはないが、小説のもっとおどろおどろしい感じを肌で感じながら読むのもまた一興だったろうと思う。 でも、この原作からあのミュージカルになるのはとても良く出来ているとも思う。 それぞれの良さあり。 クリスチーヌを引き取ってくれた家(知人夫婦)や、ラウルの兄である伯爵、オペラ座の怪人の過去を知るペルシア人が登場。 特にペルシア人は物語に奥行きを出してくれる。 反対にマダム ジリはオペラ座の怪人を信頼する単なる案内係となっている。 (舞台などでは彼の過去を一部知るもっと聡明な女性として描かれている) 怪人の住まいである地下は原作ではさらに複雑化しており、警部らがみなで踏み込めるような場所ではない。 ~ネタバレあり~ ペルシア人は元ダロガ(=ペルシア政府の警察長官)。 昔、ペルシアで罪を犯し、死刑になるエリック(怪人)を助けた。 その後、パリでエリックの存在・新たな罪を知り、彼を密かに追っていた。 エリックは天才的奇術、パンジャブの絞首縄投げ、あらゆる建築に長け、オペラ座の建築にもかかわっていた為、地下に細工や罠を施していた。 エリックがルーアン付近の小さな町の出身で、父親は石造請負人だった。 だが、彼の醜さ(白子だった)は両親の恐怖の的だったため、彼は家を出、"生ける屍"として見世物になっていた。 そして、見世物・歌・腹話術・軽業師といろいろ演じながらヨーロッパ中をまわり、時に王宮付きとなり、秘密の建築などを請負ながら暮らしていた。 秘密厳守のもと抹殺されそうになったりした為、各地を転々とし、その後、オペラ座の基礎工事を請け負うことに。 クリスチーヌへの愛を感じた怪人は彼女をラウルと一緒にさせ、自らは死を選ぶ。 ちなみにオペラ座の爆破はなし。 クリスチーヌとラウルは彼女の故郷である北欧で幸せに。 ペルシア人はそれを見届ける。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 4, 2007 11:29:59 PM
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