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November 29, 2011 楽天プロフィール Add to Google XML

建築探偵桜井京介の事件簿 14 篠田真由美
[ 本 ]    

・黒影(かげ)の館

いよいよ京介の過去が判明する。

京介が失踪後、深春と蒼に詰め寄られる神代。
なかなか口を割らない神代が、語ったのは・・・。



~ネタバレ~

2002年12月初旬。
6月から半年近く滞在した長野県の鏡平から深春(33)と蒼(23)が東京に戻る。
蒼はとりあえず神代宅で寝泊まりしている。
京介は深春と同居していたマンションも、借りたままだったはずの下宿先も引き払っていた。
深春は自分が山梨の実家にはほとんど帰らず、長兄や父と大喧嘩していたこと(最近は少しずつ変化あり)などから、
京介の事情に立ち入らなかったが、生まれ故郷も知らなかったことに改めて愕然とする。
2001年半ばに仕上がった京介の論文の資料なども片づけられてっているのには気づいていたが、
さらに意識的に痕跡を消しているようで、
また、京介の生活改善も彼の失踪の準備だったのではと思い至る。
松浦のバックに京介の父親がいたこと、京介の妹が陶孔雀と名乗りあらわれたこと、
それらが京介に父親が思い知らせようとしたのだとしても、
京介が父親から離れたのは18年前。あまりに年月が経っている。
以前の神代の言葉(灰色の砦)から京介が父親を殺したいと思っており、
父親も京介のことを愛してはいないのかと予想。
詳しいいきさつを知りたいと、彼の過去を知る神代を問い詰める。
蒼の頼みもあり、神代(57)が語るのは・・・。

1980年秋(10月)
71年にW大で修士終了後、ヴェネツィア大学大学院博士課程に進み、5年で博士号取得。
80年9月に養父・神代清顕逝去(56)。葬式のため神代宗(35)帰国。
義父の死に目にあと一歩で間に合わず、
養母でもあった姉は宗に、自分は門前仲町の実家に戻るから西片町の家は住むなり売るなり
好きにするといいと言い残す。
8歳の時に養子に入って27年、最期まで義父と打ち解けることができなかった自分に呆然とする。
そんな頃、以前、美杜邸で出会った美杜家の友人で、資産管理に携わっているという門野貴邦が、
11年ぶりに突然現れる。
義父の父・神代武からの知人だという門野。

神代武:戦前は名の知れた仏教美術、西域美術の研究者。日本陸軍とのコネクションもあり。
調査の名目でスパイ活動をしていた可能性もある。
京都の某仏教系大学の学長にもなった。
息子である神代清顕は沙弥との結婚に際し勘当された。(神代がイタリアへ留学後、4、5年前に死去)
門野貴邦:子供時代から貿易商の父と共にヨーロッパにいたことも。

門野は神代に日本国内でも変わったところに行かないかと誘いをかける。
養父の死と向き合うことに疲れていた神代はついその誘いに乗り、見知らぬ北の町へ。
そこはガイドブックはおろか、地図にも載っていない時が淀んだ町だという。

北の町の宿で門野と同席した自称埋蔵金掘りの猿橋が毒殺され、門野は姿を消し、
警察がいないという町で、神代は身に覚えのない殺人の罪をきせられてしまう。
疑惑が晴れぬまま、土地を支配する久遠家の「館」に軟禁されることに。

そこで、神代は10歳にしてあまりに美しく、怜悧で、母親の死後は誰にも御せないという
お館の当主・久遠グレゴリの長男、アレクセイと出会う。
フランス語で話しかけられたり、はじめは驚くが、アレクセイと親しくなる神代。
母の死を不審に思い、父親に囚われているという彼を救いたいと思う。
それに対し、知りすぎると神代自身が父に囚われてしまうと少年は神代を無事に帰すと約束。
だが、神代は撃たれ、すぐには帰れなくなってしまう。
その後も毒を盛られたものが出たりし、混沌とする。
捕まった神代らの前で明かされるソフィアの死の真相とは…。

神代はこの家を忘れてやり直そうと、アレクセイに町を出て一緒に暮らそうと誘うが、
まだいかないという彼の言葉と、兼永に頼まれ、一端はひきさがる。
憎い父への効果的な復讐は彼から跡継ぎ[自分]を奪うことでもあるから、
いつか東京で神代と再会をアレクは約束。
その準備のため、神代はイタリアに戻り後任に引き継ぎ、
日本に帰って門野と義父の父親からのコネも最大限に利用してW大講師に。

神代が語ったのはここまでで、京介が神代のもとに来ることになった経緯はいまだ秘密。
そこにはまだ隠されていることがあるらしい。
だが、神代の話から背景を手繰り寄せ、蒼と深春は京介が北海道にいると推理。
捜しに行くことを決意。


久遠家:明治以前からこの地に住みつき、北から海を渡ってきた者の血が混じっているらしい。
猿橋はカクレキリシタンの宝(財宝)があると言っていた。

久遠グレゴリ (呉):46歳。久遠家現当主。(呉~くにお)
久遠アレクセイ(叡):10歳。長男。(叡~あきら)後の”桜井京介”。
              母は自分が生まれたことで不幸になったと自分を責めつつ、
              母の死に不審を持っている。モイラを嫌う。
久遠ソフィア    :3年前、1977年1月に死亡(享年26)。当主の妻。アレクセイの母。
              パリに亡命していた白系ロシア人と日本人の混血。
              芸術的才能にあふれていた。
              もう生きていたくないとアレクセイにナイフを渡し刺され、
              その後、池に入水。
久遠モイラ(珠)  :9歳。長女。(一角獣~で陶孔雀と名乗った京介の義妹)。
              ソフィアには懐いていた。暗殺者として教育されている。
              猿橋(実はソフィアの血縁?)毒殺。
              アレクセイの大事な動物たちも殺す。   
久遠エレナ(衿)  :41歳。当主の妹。静岡の建築家・桜井了介と離婚して出戻り。
              子供は病死したらしいが、戸籍は生き残っているらしい。
久遠イオイリ(庵) :遠縁。侍医。80代
真鍋泉  :遠縁。30代。
山中源平 :家庭教師。20代半ば。モイラに執着。
兼永規矩江:家庭教師。40代半ば。実はモイラの母。
御影:執事。50代
杉 :シェフ。30代。1979年春に門野のスパイ(連絡員)として潜入。
文子:メイド。18歳

門野はソフィアが10歳ごろに出会ったことがあり、秘かに想っていたらしい。
母の死を不審に思うアレクセイに協力。

Last updated  December 6, 2011 15:31:56


神代教授の日常と謎 2 桜の園 篠田真由美
[ 本 ]    

建築探偵桜井京介の事件簿番外編。神代教授の事件簿シリーズ?第2弾。

~ネタバレ~

・桜の園
1992年4月。
年も一つしか違わぬ教育学部教授の大島庄司に頼まれ、居合わせた辰野と共に
彼の親戚が住む桜館と呼ばれる”魔女の館”に同行することになった神代。
そこで、40年前の情景を再現する老女、不信が募る大島。

大島の母との葛藤、ろくでもなかった大島の父は母と元婚約者で女優だった久江とも関係があった。
複雑な血の繋がりと遺品、誤解と不審、死体と犯人。
40年前に隠蔽された本当の真相を辰野が浮かび上がらせる。

「Ave Maria」に登場する大島がメインに。

・花の形見に
1992年盛夏。
神代宗(47)は長姉で戸籍上の義母の沙弥(神代の17歳年上の64)に頼まれ、
母の墓前に誰が供えたともしれない花束の送り主が来るのを見張ることに。
父の生前にもあり、一時期途絶えていたのだが、最近復活。
祥月命日の6月12日の次に可能性があるのは母の誕生日だった8月17日だという。
そこに添えられていたのは恋文のようだったという。

また、桜館(目黒家)で働いていたメイドの道子の頼みから、
彼女の姉の店「アガサ」付近に出没する不審な影の正体を探ることに。
快諾したのは辰野だが、辰野は店での見張りを蒼に託す。

同時期に桜館を離れ、今は居を移している目黒鏡子から、
売却予定の友人の所有する仲根清太郎の絵が消失した謎解きを頼まれる。


振り回されっぱなしの神代。
だが、事件はつながっていた。
神代以外辰野や京介はそれぞれの真相に気付いていたりも。
(「アガサ」については蒼や深春も)

「アガサ」は元洋食店を営んでいた姉妹の父が不審者の正体。

絵のモデルだった仲根の娘は実は神代の母・すず。
すずを幼少時慕っていた思い出から、
彼女の墓前に花束と当時やり取りしていた名残の手紙を、
また、すずの血筋に彼女がモデルとなった絵を渡したいと、
画商のつてで居合わせた三島(渡仏時代長い)が絵をすり替え、消失を演出していた。
絵は沙弥の一言で神代のもとに。

道子の父のやっていた洋食屋の店の味を藍川家も知っていたことも判明。

神代のバックボーンから、養子や駆け落ちや何やら入り組んでいる。
無理やり入り組ませているだけにしかみえないが・・・。

バックパックで海外を放浪していた深春は4月から美術学科専攻に進級。
京介は文学部大学院に順調に進む。蒼は14歳。
京介は蒼や深春と共にプールに行き、本を読んでいたが、呼ばれて立ちくらみ、捻挫する。

神代は手焼き煎餅屋藍染屋の5人きょうだいの末。
煎餅屋4代目は長兄が継ぎ、次兄の小料理屋を。
次兄と双子の次女は幼少時死亡。
次兄の娘・芹は神代に懐き、西洋美術史の研究者になりたいという高校生。
1951年6月に神代の母は病死。(仲根すず→結婚して→藍川すず)
神代が姉のもとに養子に出されたのは、母の体の具合が悪かったことが理由だと判明。

Last updated  November 29, 2011 22:41:19

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