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片桐早希 おむすびころりん

片桐早希 おむすびころりん

贈り物(1)~(6) 1

 私は小説つくりに挑戦しようと思いブログを始めました。

 小説を書き始めてから、色々な意見をいただきました。一度、この小説「贈り物」を書きあげ、もう一度、みなさんからの意見等を取り入れたリメイク版「贈り物」を書こうと今考えています。

 みなさんから、いろんな意見もらえると嬉しいです。そして、今までの、たくさんのコメント等本当にありがとうございます。

 ここに掲載しているものは、はじめに書いた小説をそのまま掲載しています。私自身読み直しましたが、誤字等が多く見受けられました。その修正はリメイク版で行ないたいと思います。

贈り物(1)~(6) 1






傷口がかゆい。

 セロハンテープをはがしてしまった。

 皮膚は赤く腫れている。

 思いがけず自分の目の前に長い時間が出来た。これからの日々、何をすべきかいろいろ考えた。

たまりにたまった本を読む、ビデオを観る、料理の勉強をする、などなど。

病人なので行動範囲が限られる。あれこれ考えている私の目に、部屋のほこりが拡大して写った。



そうだ、

掃除だ、

掃除をしよう。

 掃除といっても自宅療養中の身なので、できることは限られている。

掃除機をゆっくりかけることは何とか出来そうなのでおなかの傷をかばいながら、ゆっくり、よろよろと機械を動かしていく。

こんな調子でリハビリを兼ねた生活が始まった。

掃除機は二台ある。六年前に買ったものと、昨年買ったものだ。

新しいものの方が軽いし吸引力も強いことは分かっているのだが、つい古いほうを使ってしまう。

なぜかというと古いほうは吸い取ったゴミが手元に集まるようになっているため、ゴミの量が一目で分かるのだ。ゴミがたくさん集まると嬉しい。

お金がたまったわけでもないのに嬉しくなる。そんなことで喜ぶ自分にあきれながら、ゆっくりゆっくり掃除機をかけていく。

 手術の日からちょうど一ヶ月たった。五時間の手術が終わり、集中治療室にいた頃だ。全身麻酔をかけられていた五時間の間、私はどこにいたのだろう。

そんな風にして自宅療養の日々は過ぎていった。

無理はしない、と自分で決めていたので休憩時間も多かった。家の中は綺麗になったかというと、しないよりマシ、という程度だった。

 午前中にお風呂に入ることもあった。一ヶ月前にはフルタイムで働いていた。

平日にほんの少し家事をして、入浴する生活などかんがえもしなかった。職場の同僚は、休み時間にお茶を飲む時間もなく働いている。

 電話がかかったのは、お風呂上りに冷えた紅茶を飲みながらテレビを観ていたときだった。














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