カテゴリ:映画
レオナルド=ディカプリオのゴールデングローブ賞ダブルノミネートやアカデミー賞ノミネートなどで話題性たっぷりの映画ですが、見た後にとてもたくさんのしこりが残る映画でした。
この問題は、遠い世界の話じゃない。 給料の3か月分の値段のものを送るという婚約指輪についているダイヤモンドでさえ、どんな経路からわたってきたかなんて自分らには想像できやしない。映画のいたるところで惨劇が繰り広げられているのと対照的に消費者に問いかけるような映像がたびたび映されると、胸が締め付けられるような思いがした。 紛争ダイヤモンドの密輸がテーマになっている本作品は、かなり事実に近いものがあるみたいです。作中に登場する「キンバリープロセス」(産地識別システム)は実際に存在しているのもの。ただ、これも抜け道が今でも存在していて、かなりの紛争ダイヤモンドが世にあふれているみたいです。 装飾品を付けないからいいか。ダイヤとは無縁だ。。。 実は、そう思っていた。けれど、ダイヤモンドは工場などのドリルなどにも使用されており、ほとんどの製品がその恩恵を受けているといえる世の中。これは他人事ではない。 主人公たちは、それぞれの目的のためにダイヤモンドを追い求めているんだけれど、途中から正しいのはどれだ??とすべてを疑ってしまうシーンが何箇所もあり、それが見ていて辛くなる。ただ、それがリアルに近いからゆえなんだろう。 例えば、(以下、ネタばれ) 少年兵の若年化が進み、リーダーとたとえ親交があっても無力だということが見せ付けられる教師の被弾シーン。 洗脳された息子が父親に銃を向けるシーン。 アーチャーが空爆を頼むシーン。 どれもがやはり悲劇に通ずるものがあり、その先に答えが無いものばかり。ひとつの解決策では通用しない難題が世界にはとても多く存在することが、この映画では表面だけを見せているだけに過ぎない。けれど、伝わるべくものが伝わる映画としては珍しい映画だなと思いました。 それにしても、ディカプリオが体格がよくなった分、とても演技に重みが出てきたような気がしますね。変なプライドとか意地とかそういうものが丸くなって、やっと輝きだしたって感じがします。「ディパーテッド」でもいい演技をしていたから、これからも期待したいところです。最後の痛がるシーンはまだまだって感じでしたけどw で、プロダクションノートを見ると、ほとんどがアフリカでのロケなんだなってちょっと驚きと感心がありました。この監督は「ラストサムライ」の監督でもあるから、また偏ったイメージとか持ってるんじゃないの??って思っていたけれど、本当にシエラレオネの街を使っていたりしているらしいです。ただ、広大なアフリカのイメージを髣髴されるダイヤモンドを二人で掘り返しに行く道中は、これどこ??見たいな所多かったですね。 ただ、楽しませるだけの映画じゃない。そう思って見に行けば、社会の仕組みも、自分の立場も比較しながら見れていい映画ななると思います。まちがっても「シリアナ」よりは全然分かりやすいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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