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雪組『マ・ベル・エトワール』

<第3回>

▽雪組公演 レビュー『マ・ベル・エトワール』
▽宝塚大劇場1995年11月~12月
作・演出・・・村上信夫
作品紹介・・・夢溢れる“20世紀”を描く豪華なレビュー。
作品評★★★★★★☆☆☆☆
鑑賞日・・・2002年5月26日

▽『マ・ベル・エトワール』とはフランス語で、“美しき星”という意味だそうです。村上先生は、花組でも星巡りストーリーの『ラ・ノーバ』を演出されていましたが、この作品は“レビュー”ということで、お決まりの“世界巡り”というスタイルで構成されています。プロローグこそちょっと近未来な感じの宇宙船風セットで、しかもハードロックで始まるのですが、その後は20世紀の一番良かった時代に戻ろうとのコンセプトのもと、パリ~上海~ニューヨーク~東京、そして宝塚(!?)を舞台に場面が作られています。“レビュー”と冠がついてはいるものの、各場面それぞれでストーリーがあり、箱は“レビュー”だけど中身は“バラエティー・ショー”といえるのではないでしょうか。それでも“レビュー”を感じさせるのは、タキシード・燕尾・ダルマといったオーソドックスな衣装、羽根扇の使用など、変にちゃらちゃらせず、全体に“品”があるからではないかなと思います。
▽さて、この作品の一番のお気に入り場面は、第八場~第十場「上海の恋」です。
一路真輝さん扮するイギリス海軍の武官が上海に着任し、花總まりさん扮する中国娘に恋をするのだが、実はその娘はスパイで、彼に近づいて情報を盗もうと幻覚剤を飲ませたりする。そのうち娘も武官に恋をしてしまうが、最終的には引き離されてしまう、というストーリー。筋立てよりも、竹邑類さんの雨傘を使った振付やシャープな振りが新鮮で目を見張りました。中盤にこういう中国を舞台にした場面があると、衣装やセットも目新しく感じさせられるし、見ている側が飽きないので、非常に効果的だと思います。
マ・ベル・エトワール

▽2001年の花組のショー『Coctail』では、スマップやサザン、長渕剛さん等ジャパン・ポップスが多用されて話題になりましたが、この作品でも安全地帯の曲と、そしてなんと松田聖子さんの「Sweet Memory」が歌詞もそのままで使用されていました。「Sweet~」を歌った花總さんが、ちょっとはにかんだ感じで可愛らしかったです。
▽21世紀に入った今、20世紀を振り返るショーを見てみると、全編を通してノスタルジックな感じをうまいこと出しているなぁと感じさせられました。上演当時は、その辺りを実感できず、あまりにそつのない作品だったため面白いと感じませんでした。時間をあけて、こうして振り返ってみるのも悪くないなと感じました。でも、冒険した場面が皆無に等しいので評価は★6つです。
▽当時3番手だった轟悠さん、4番手だった香寿たつきさんなどは、すでに男役として完成されてますね。また、ダルマ姿を披露されている花總さん・星奈優里さんは足が長く、スタイル抜群で美しい。容姿の美しさも大切ですね。

※併演作品…万葉ロマン『あかねさす紫の花』 作・演出 柴田侑宏でした。





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