下痢■□■ 下痢 ■□■■ どんな病気? 下痢とはいろいろな原因によって大腸の動き(蠕動運動)が活発になると共に、腸管から水分を吸収する働きが障害され、その結果、水様の便が頻回に排出される症状をいいます。 細菌性の下痢は腸の中の悪いものをはやく排泄してしまおうとする生理的な防御反応なので、薬で下痢を止めただけでは病気を治したことにはなりません。 ですから、よっぽどひどいとき以外は子供の下痢のときは下痢止めよりも整腸剤が処方されることが多いでしょう。 下痢便といっても様々です。 ・水様便 ・粘液便・・粘液が混ざる・・腹痛・熱があればカンピロバクターー ・白色便・・米のとぎ汁状・・かぜのような症状、吐き気もあればロタ ・血便・・血液が混ざっている・・発熱や嘔吐があれば、細菌による食中毒が考えられる ・粘血便・・粘液と血液が混ざっている ・泥状便・・水様便の一歩手前で泥状の形のないドロドロした便 ■ 原因 ★細菌、ウィルスなど微生物による直接の腸管感染や、微生物が作る毒素が原因 (乳幼児の急性下痢症のほとんどがこれです) ・ ブドウ球菌・・ブドウ球菌の出す毒素が下痢の原因になるので、加熱をしても防ぐことはできません ・ロタウィルス・・白色の下痢が特徴です。冬の乳幼児の下痢はこれがほとんどです ・ 病原性大腸菌・・原因食材としては牛肉やその他の多くのものからも報告されています。病原性大腸菌の感染を防ぐのには加熱が重要です ・ サルモネラ菌・・子供に多い原因菌です ・カンピロバクターサルモネラ菌とともに、子供に多い原因菌です。鶏肉やペットが原因 その他赤痢菌・コレラ菌 ・腸管以外の感染 ・薬剤 ・代謝・吸収障害 ・外科術後など ■ 家ですること ・水分摂取。特にイオン飲料(アクアライト)などがおすすめです。 ただし下痢やおう吐が激しく、食欲がほとんどなくなり、ぐったりしている様な場合は点滴などで水分補給が必要なこともあります。 ・母乳を飲んでいる乳児は母乳をそのまま。 ・ミルクの子はそのままの濃度か2/3にうすめて与えて下さい。 ・下痢、おう吐の薬は食間の空腹時に服用して下さい。 ・食事の基本は、便と同じ性状のものを与えましょう。少しずつ胃腸へ負担を与えないものを与えましょう。 食べてすぐに下痢をしてしまってもかまいません。 ●下痢にいい食品・・・お茶・野菜スープ・おもゆ・うすいみそ汁 →おかゆ・やわらかく煮たうどん・にんじんかゆ・ →すり豆腐・白身の煮魚のすりつぶしたもの ★おやつ・・ベビー用塩せんべい・ボーロ・ウエハース など。 ★果物・・りんご、桃、いちじく、すもも(すって水にうすめたり・すったものをあたえたり) ●下痢によくない食品・・ ・冷たいもの、刺激の強いもの。(清涼飲料水、アイスクリーム、牛乳、コーヒー、香辛料) ・脂肪の多いもの。(揚げ物、バター、肉、卵) ・繊維の多いもの。(いも、ごぼう、わらび、ぜんまい、海藻、菜っぱ、豆類) ・砂糖分が多いもの(カステラ、ヨーグルト、プリン、菓子)など。 ・頻回に下痢便がでるとおむつかぶれになりやすくなります。時々シャワーや洗面器にぬるめのお湯をためるなどして、おしりをよく洗ってあげましょう。 ・下痢は体の中からウィルスを出して、少しでも早く回復させようという、体の防御反応と考えましょう。下痢をすることは悪いことではありません。 ■ すぐに受診しましょう 受診される場合は原因を調べるために検査をする場合もありますので出来るだけ新しい便がでたおむつなどを持参して受診される方がよいでしょう。 ・脱水症状がある (唇・舌が乾いている、目がとろんとしている、皮膚がかさかさ、熱があるなど) ・元気がない、水分がとれない、おっぱいをのまない ・血便・いつもと違った色の便・白色便がでる ・便のにおいがいつもとちがう、粘液が混じる ・嘔吐を頻繁にする ・おなかにはりがない ・下痢が続く ■ 処方される薬 細菌性の下痢の場合には、抗菌剤で菌をやっつけて、整腸剤の服用と水分摂取でのりきります。 逆にかぜやロタウイルスなど、ウイルス性の下痢のときは、脱水を起こしやすく、下痢止めが処方されることが多いです。 ・整腸剤・・よく使われる ・下痢止め・・下痢のひどいときに。 ・抗菌剤・・細菌性の胃腸炎の場合は必要。 ・軟膏・・ おむつかぶれに必要です。 ・点滴治療 ・・ 水分が取れないときは必要となります。(電解質・ビタミン) |