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瑣事に追われて追われて、
説明することができなかったのですが、 ページトップに、絵画を挿入しました。 渡邊昭お著『絵本 神曲』からの、絵画です。 (「昭お」の「お」は、「石ヘンに夫」です。) 「勉強会 パレーシア」を始めるにあたって、 奇しきご縁を賜り、渡邊様と知己を得まして、 大変な御厚意を賜り、利用を許可していただきました。 この絵画の著作権は、渡邊様にありますから、 どうぞ、勝手にコピーなどしないでください。 本当は、この絵画に見事なデザインを施して、チラシを作りました。 作ってくださったのは、アイ・プロジェクト様。 残念ながら、出来上がったデザインはデータサイズが大きくて、 ここにアップできずにいます。 (きっと、やり方はあるはずなのですが、なかなか、勉強不足です)。 さらに、教区センター・エマオ様であるとか、 日本基督教団仙台市民教会様であるとか、 仙台YWCA様であるとか、 実にたくさんの方のご協力をいただいて、この会は、現在進行中です。 渡邊様の「絵本 神曲」は、 特に、天国編の描写の明るさに、心を惹かれました。 勉強会は、「パレーシア」と題をつけました。 それは、「神曲 天国編」の第5歌にある、以下の言葉に刺激されてのことです。 Di di sicramente, e credi come a dii. (canto 5, 122-123) つまり、 「言え、言え、神々に語るように、信じて全てを語れ」と、 ベアトリーチェがダンテを励ます言葉です。 キリスト教の伝統において、「パレーシア」という言葉は、 「すべてを語れ」という意味のギリシャ語として、大切にされてきました。 その言葉を、この場面に思い出したのです。 勉強会を開始するにあたり、 ベアトリーチェの励ましの言葉を手掛かりに、 基本理念を「パレーシア=全てを語れ」と定めること。 この会においては、参加する者は、誰でも・何でも語り合う。 その軸になるものとして、「神曲」がある。 それは、中国風に言えば「清談」を目指す学びの時となる。 そんな学び会のチラシとポスターとして、 渡邊様から、上記の絵画を使わせていただくことをお許しいただけました。 この絵画は、明るい天頂に向かってベアトリーチェがダンテを先導する、 実にすがすがしいものです。 それは、ゼロから始まる会のイメージに、まさしく合致するような気がします。 4月から、勉強会は、大学生・大学院生・社会人の8名で始まりました。 皆、30歳代以下の「若者」です。 会の性質としては、「出入り自由のさっぱりした会」を目指しています。 できるだけ、結社やギルドのような雰囲気を排したいと願ってのことです。 それは、この会を始めようとした志に、根を持っている願いです。 私は、大学で教養科目を講じています。 その中で、「大学」とは何であるか、考えました。 大学の起源は11世紀にさかのぼります。 フランク王国時代から、 既に高等教育を大規模に行う機関は、 「スコラ」と呼ばれるものとして、 様々な権力に支えられつつ、存在していました。 しかし、その機関を支えてくれる諸権力は、 残念ながら同時に、自由な学びを制限する足枷にもなる。 それで、「真理」を自由に探究したいと願う人々は、 「スコラ」に飽き足らなかった。 そうした人々は、人が行き交う橋で語り合い、 新しい学びの機関を作ろうとします。 そして、学生と教師と職員とが真理探究の組合をつくる。 そうして生まれたのが「Universitas」であったということです。 しかし、現代において、大学は多くの制限の中にいます。 世間は学生に就職活動を強いますし、 文部科学省は教師に事務書類の山を書かせています。 そして、大学内の秩序維持に、職員は忙殺されている。 しかし、大学は今でも志を失っていません。 ただ、大きくなりすぎた大学は、 その大きさ故に生まれた制限の中で、 諸々の勢力がせめぎ合う現場として、苦闘しています。 そのようなことを知ったとき、 「勉強会 パレーシア」の理念が生まれました。 大学の外に、大学を補完するようにして、 大学よりも小さな集まりを造るということ、です。 もしそうした「小さな集まり」がたくさんできたら、 大学の限界性を補完して、 「真理探究」へ向けた総体としてのプロジェクトが生まれるかもしれない。 そんな気宇壮大なことを夢見たのでした。 ですから、勉強会は小さな集まりとし、 そこには(橋に往来する人のように)人が自由に出入りする、 そしてそこには、真理を求める思いが漲っている、 そんな会を考えたのでした。 そして、うれしいことに、そうした志は少しずつ形を取り始めました。 まず、土曜日に学生諸賢が集まって下さいます。 そして、 仙台市民教会という日本基督教団の教会が、会場を提供してくださり、 一緒に学ぼうと言ってくださいました。 具体的には、6月から、毎月第二日曜日、天国編を共に学ぶことになります。 以上が、ページトップの絵画を巡る経緯です。 「勉強会パレーシア」――どなたでも、ご参加を大歓迎いたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 25, 2009 07:41:20 PM
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