テーマ:日本の伝統と文化(318)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
幸于吉野宮之時 柿本朝臣人麻呂作歌 やすみしし わご大君の 聞こし食す 天の下に 国はしも 多にあれども 山川の 清き河内と 御心を 吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺に 宮柱 太敷きませば 百磯城の 大宮人は 船並めて 旦川渡り 舟競ひ 夕河渡る 此の山の いや高知らす 水激つ 滝の都は 見れど飽かぬかも 八隅知之 吾大王之 所聞食 天下尓 國者思毛 澤二雖有 山川之 清河内跡 御心乎 吉野乃國之 花散相 秋津乃野邊尓 宮柱 太敷座波 百礒城乃 大宮人者 船並弖 旦川渡 舟競 夕河渡 此川乃 絶事奈久 此山乃 弥高思良珠 水激 瀧之宮子波 見礼跡不飽可問 八隅知之 吾大王之 所聞食 天下尓 國者思毛 澤二雖有 山川之 清河内跡 御心乎 吉野乃國之 花散相 秋津乃野邊尓 宮柱 太敷座波 百礒城乃 大宮人者 船並弖 旦川渡 舟競 夕河渡 此川乃 絶事奈久 此山乃 弥高思良珠 水激 瀧之宮子波 見礼跡不飽可問 口語訳【一】 わが大君が御統治なさるこの天下に、国は実に多くあるけれども、山や川の清く美しい河内であるとして御心をお寄せになる吉野の国の、花がしきりに散っている秋津の野辺に宮殿を立派にお作りになっていらっしゃるので、お仕えする人々は舟を並べて朝の川を渡り、舟の先を競って夕方の川を渡ってくる。この川の流れのようにいつまでも絶えず、この山が高いようにいよいよ立派にお治めになる、この水の激しく流れ落ちる滝の御殿は、いくら見ても飽きることがない。 〈古典に親しむ〉 口語訳【二】 八方をお治めになる我が大君のご統治なさる天の下に国はたくさんあるけれども、山川の清らかな川の内側として御心をお寄せになる、その吉野の国の花がはらはらと散っている秋津の野辺に宮柱を立派にお建てになるので、ももしきの大宮人は舟を並べて朝に川渡りをする。舟を競い合って夕方に川渡りをする。この川の絶えることがないように、この山のようにますます高くお治めになる水が激しく流れる急流のお住まいは見ても見飽きることがないよ。 〈万葉集の歌の世界〉 参考にした書籍 「英語で読む万葉集」リービ英雄 平成十七年 六月二十九日 Fugs "I Couldn't Get High" を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月29日 20時01分20秒
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