テーマ:皇室(560)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
本日は第十四回皇室典範に関する有識者会議。 これまでの議事要旨から有識者会議が皇室典範改正にあたって前提として考えているのは以下の四点であると思われる。 一、憲法に則った物である事 しかし、 一、憲法は「不磨の大典」ではない。ましてや六十年前日本の伝統・文化を知らない占領軍が、即席で素人に作らせた憲法を二千年続いた伝統に当てはめて議論するのは本末転倒である。 二、天皇を男系に限っても皇位継承順位は一義的に決める事は出来る。 三、国民の意見を無視しているくせに「旧宮家の皇籍復帰」に関しては「国民の理解が得られない」として却けているのはどういう訳か。 四、女系を認めるのであれば早急に決める必要は全くない。 早期に結論を得ようとしている事に関しては、今生天皇がご存命のうちに決めるようにとのご意向を受けているだの、皇后陛下が愛子内親王殿下を天皇にしたがっていらっしゃるだのと言った、きな臭い噂もある。そうなると宮内庁に左翼や某国の工作員が入り込んで両陛下を洗脳しているのかもといった妄想も湧いてくる。 平成十七年十月二十五日(火)午後三時~五時二十分 於総理大臣官邸小ホール 出欠表 ○出席 ×欠席 △遅刻 ?不明 ・皇室典範に関する有識者会議メンバー 第 十十十十 ・政府側 第 十十十十 議事概要 (一) 意見の集約のための意見交換 ○ 憲法は象徴制と世襲制しか規定していない。「世襲だから当然に男系男子」との議論は、理論的には難しい。現実に百二十五代男系で継承されてきたという事実はあるが、今回、こういう事態に立ち至って、憲法の角度から改めて考えてみると、国民が世襲制の天皇についてどう考えるかというと、男系に固執するよりも、親から子へと、直系で受け継がれることではないか。 ○ 天皇は、憲法では、国家・国民統合の象徴と定められているが、象徴に性別はないと考えるのが健全なのではないか。 ○ 皇族女子や女系皇族に皇位継承資格を拡大した場合、例えば、我が国で続いている旧習や伝承、また、日本の伝統的な家族の在り方は家父長制と考えて自らの家庭を維持しているような人々に、影響を与えるのかどうか。この点は、国民の支持という点とどのような関係があるのか。公的な決断が個人に何らかの影響を与えるとしても、決して強制的なものであってはならない。 ○ 私的な世界では、いろいろな考え方や家族の在り方があるのは当然。しかし、この有識者会議は、あくまで公的な制度である皇位継承制度について検討しているもの。 ○ いろいろな思想や確信を持った国民があり、中には、女性や女系に皇位継承資格を拡大することに違和感を持つ方もおられるだろう。しかし、現行の憲法制定時に、象徴と世襲に絞ったことは大きな歴史の変化で、それはそれで国民は受け入れている。 憲法との関係では、皇室典範に男系男子と規定する必要はなかったが、それまでの伝統に配慮して男系男子としたもの。それが、今は維持できなくなっているので、憲法に戻って考えるもの。 ○ これまでの会議においては、委員それぞれが自分の意見を積極的に述べるというよりも、識者ヒアリングなどもしながらいろいろな論点を整理し、中間整理を公表するなど、一歩一歩進めてきた。国民の一部に非常に強い反対意見の方がおられるが、このような我々の会議の進め方を含め、大方の国民の理解は得られるのではないか。 ○ 女系の皇族に皇位継承資格を拡大した場合には、女系天皇の正統性に疑問が生じるとの議論をする方があるが、世襲で皇位が継承され、国民の積極的な支持が得られる限り、正統性に疑義が生じる余地はない。 ○ 今後、現行典範を改めずに男系男子で行けるのか、という点から考えると、複数配偶制の否定や少子化の状況の中で、確率的には男系男子の数は極めて少なくなることが、これまでの議論の中で明らかになった。仮に旧皇族が復帰したとしても、こういう状況では極めて不安定なものになる。また、皇籍復帰して皇位を継承することは、これまでの歴史の中で極めて異例であり、国民の理解も得られないと考えざるを得ない。 ○ この会議に臨むに当たり、世論調査で何割だからどう、という発想をとるべきでないという考え方を一貫して持ってきた。他方、象徴天皇の制度は、国民の一般的な共感と支持がなければ存続できないわけであり、それを無視したようなことはできないことも厳然たる事実。 その中で、現状がどうなのか、このままだと憲法の象徴天皇制度がどうなるのか、ということを考え、この会議として筋を通した結論を出すことで国民にも理解をいただけるようにするということではないか。 ○ 新しい皇室の姿は、皇室御自身の御努力と良識ある国民のバックアップがなければ成立しえず、それこそが今一番望まれているものなのではないか。 ○ この有識者会議での結論に対する国民の支持は、手続的には、国会で議論していただくことであるが、有識者会議としても、国民の支持が最大限得られるよう、考えられる範囲で努力し、その結論が国民の意識と乖離しないことを意識して、議論を進めてきた。今後報告書を作成するに当たっては、多くの国民に受け入れてもらえるよう、表現なども含め、いろいろな点において工夫する必要がある。 ○ この問題は、早期に結論を得ることが必要であるということも国民の方々に理解していただきたい。 (二) これまでの議論を踏まえ、皇位継承資格を皇族女子や女系の皇族に拡大する方向を基本に報告書の取りまとめに向けた作業を進めることで、意見の一致を見た。 (三) 今後は、十一月七日(月)に開催し、次回は、報告書(案)の議論をしつつ、皇位継承順位及び皇族の範囲について意見の集約を行うこととなった。 平成十七年 十一月十九日 Defunkt "Stragling me with your love" を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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