テーマ:皇室 二(50)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
今日は旧暦十二月十八日。師走、雉はじめて鳴く。 本日より二日間に渡って、正論平成十八年二月号に掲載された渡部昇一上智大学名誉教授と米長邦雄永世棋聖の対談より皇室典範に関する部分をご紹介する。 しかし「皇室典範に関する有識者会議」座長の吉川さんが民青だったとは知らなかった。最近の人は知らないだろうが、民青とは「日本民主青年同盟」の略で、共産党の下部組織である。 このたびの「女系天皇問題」に関して政府に言いたい事のある方は左記のフォームより。 「日本、急所の一手!」 われらの国柄と伝統への想い 上智大学名誉教授 渡部昇一 皇統は「種」である 米長 今日の対談のタイトルは、さしずめ「日本の魂はこの耐震構造に耐え得るか」ですよ。やっぱり土台を変えなきゃダメ。上の建物の強度だけ測つて文言変えるだとか言っているが、そうじやなくて一旦白紙ですわ。 副座長の園部逸夫さんは最高裁の判事で、『皇室法概論』という厚い本を書いている。この本は実質上、代々木(日本共産党)がつくつたような内容の本です。代々木の皇室観に沿って書かれてるんですよ。だからその主張が通れば完全に半世紀以内に日本の皇室はつぶれることになってるんです。 米長 なんで急に皇室典範改正が出てきたかが問題ですね。 渡部 明治の皇室典範の考えというのはこうです。これは皇室の家の法だから、元来は書いてなかつた。しかし文明が進んで何でも書くことになったから書きますと。昔から書かなくても伝わったものであって、天皇がつくったりつくらなかったりできるものじゃないということも書いてある。 そして皇室典範は憲法に左右されないし、憲法は皇室典範に左右されないと書いてあるんです。占領軍も手を付けなかったという部分に、いま手を付けるんですよ。 米長 非常に不思議なんですけれども、ジェンダーフリーの動きといっしよですね。あれは家族制度なしにしようとする運動だったんですね。 渡部 簡単にいえば今の愛子さんを天皇にするためだけの法律なんです。だからあの法律が通りますと、今のままなら愛子さん以外は天皇になる可能性がなくなる。どんなにラフに計算したってもう四、五十年後ですよ、愛子さんが天皇になるのは。そして誰と結婚されるんですか。 米長 俺、孫をねらってるんだけど。 渡部 ハハ。だから皇太子のお嫁さん探すときもあれだけ苦労したんだから、普通の人は結婚しませんよ。そうすると李王家の男なんて出てくるかもしれません。朝鮮の李王家の子孫が、「俺なら結婚してやる」と言って、愛子さんは相手がいないんだから「じゃあ結婚しましょう」となったら、朝鮮に日本は無血占領されるんですよ。 そんなシナリオも考えなきゃいかんのですよ、皇室ですから。どんなことが起こるかわからないという建前で考えなきゃ。 日本では、元来皇統の継続性は「種」という考えで来ました。そして女性は「畑」と考えてきたわけです。種はここの畑に蒔いても、あちらに撒いても稲は稲。それに対して、畑は稲が蒔かれれば稲、麦なら麦。継続性を言うなら種しかない。遺伝学者が言うように染色体にはX、Yがあって、男性はXY、女性はXX、だからY遺伝子は男系しか伝わりません。それを日本人は本能的に知ってたんです。 女系天皇を主張する人の中には、大阪の大金持ちは女系で継承しますよという人がいる。男の子がバカなら娘に番頭を取る。娘も良くなかったら夫婦養子取るか何かで。ところが大阪の金持ちは、貧乏になったら誰もはなも引っ掛けませんよ。 皇室はそうじゃない。戦国時代のように貧乏になろうが、落ちぶれようが何しようが、皇統という種を大切にするという思想で、二千六百六十五年持ってきたんです。 愛子内親王は男系の女性ですから、女帝になる資格があります。しかし、今まで女性の天皇が即位したケースは、みんな天皇の未亡人であり、しかも天皇の孫か娘なんです。それが夫である天皇が亡くなったから中継ぎで天皇になったり、江戸時代には弟が若すぎるので女帝になったけども、終身結婚しないで弟に皇位を譲ったという例があるわけです。在位中に配偶者のいた例がない。 そして一度も男系からはずれたことがない。半ば神話的な神武天皇のY遺伝子は、完全に今の皇太子、秋篠宮までは続いてる。それから伏見宮家系統の皇族の男の子が何人かいますけど、これを皇族に絶対しないとしてるわけです。 戦前のコミンテルンが、日本に何度も何度も皇室廃止の指令を出した。初期の共産党員には、荒畑寒村みたいに社会正義に燃えた立派な人たちもいたわけです。しかしこの指示があるともうダメで、残ったのはごく少数の変わった人だけ。 戦前の共産党が取るに足らない、一番多いときで六百人ぐらい。昭和十年ごろにはほとんどゼロとなったぐらい。それはなぜか。皇室なんです。皇室こそは共産主義者の恨み重なるものなんです。そのときのシンパの人たちが脈々として残っていて、今ようやく廃止するチャンスを掴んだわけです。 続く 平成十八年 一月十七日 ミッシャ・マイスキー「バッハ無伴奏チェロソナタ」を聴きながら コメント・トラックバックは予告無しに削除する場合があります。あらかじめご了承下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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