テーマ:皇室 二(50)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
今日は旧暦一月十七日。睦月、魚氷をいずる。 本日は「正論」平成十八年二月号、ジャーナリスト稲垣武さんの「マスコミ照魔鏡」より「『女系天皇』を厳しく批判した産経」をご紹介する。 「女系天皇」と「男系天皇」の違いを本当に解っている人は少ない。母親が神武天皇の血を引いていれば「女系天皇」で父親が神武天皇の血を引いていれば「男系天皇」、と言う訳ではない。左の図を見ていただきたい。
太線が初代神武天皇より続く皇位継承制度である。 「男系天皇」とは、家系図の父方を遡ると神武天皇に行き着く方であり、「女系天皇」とは家系図の母方を遡ると神武天皇に行き着く方である。それ以外は男系でも女系でもなく双系である。 ご存じの通り、過去「女系天皇」も「双系天皇」は存在しなかったし、上の図を見てお分かりのように「女系天皇」は今後も現れる事はないであろう。 愛子内親王殿下が民間男子と御結婚なされると、生まれた子供は女系ではなく双系である。 このたびの「女系天皇問題」に関して政府に言いたい事のある方は左記より。 「マスコミ照魔鏡」 ジャーナリスト●いながき・たけし 稲垣 武 「女系天皇」を厳しく批判した産経 二十三日付産経「主張」、「国会の前に幅広い意見を」は、四大手紙のなかで最も厳しい批判を浴びせている。同「主張」は、答申は長い間受け継がれ、そのことで天皇が特別の存在として畏敬を受けてきた「男系優先の原則」を一気に変えてしまうことになるとして、「将来、天皇に対する国民の敬愛の念が薄れ、日本という国家のありようを危うくすることになりはしないか」と危惧している。 そして「女性天皇と女系天皇の違いひとつとっても国民がどこまで正確に認識しているだろうか」と疑問を投げかけ、「(改正案の)国会提出を急がず、もっと広く国民や皇室の歴史に詳しい人の意見を聞くべきである」と提言した。 女性天皇は、日本でも古代から八人存在したが、それは例外的で、すべて男系の天皇のご息女であり、また女帝が産んだお子さまが天皇に即位されたことはない。その意味で、日本には「女性天皇」はいたが、「女系天皇」は一人もいない。産経「主張」は十二月六日付で再度「皇位継承問題」を論じ、「『女帝』を認めるだけなら、皇統の歴史は変わらないが、女系天皇まで認めてしまうと、その歴史は変わり、否定することにさえなりかねない」と警告して、江戸時代でも新井白石の進言で、後の男系皇位継承に備えるために開院宮家が創設された事例などをあげて、「先人たちは皇統維持のため、このようにいろいろな努力と工夫を重ねてきたのである。 しかし、報告を読む限り、有識者会議のメンバーが男系維持のために議論を尽くした形跡は見られない。戦後の男女平等の理念をそのまま皇室にあてはめ、女系天皇容認と長子優先の結論を導き出したように思われる」と断じた。 さらに、「もちろん、男女平等の理念は大切である。だが、そのことと独特の文化と伝統を持つ皇位継承のありようは同じ次元では語れない。例えば、英国王室では、兄弟姉妹間で男子の王位継承権が優先される。だからといって、英国が男女差別をしているという指摘は当たらないだろう」と論じた。 男女を問わず第一子優先を受け入れる傾向が強くなってきた欧州の王室のなかで、ひとり男子優先を守っている英国王室にならって、日本でも「皇位継承は男子優先」の原則を貫くべきだ。それが時代の変化に合わせながら、伝統は守り抜く良策ではなかろうか。 平成十八年 二月十四日 堀江美都子「かぐや姫先生のうた」を聴きながら コメント・トラックバックは予告無しに削除する場合があります。あらかじめご了承下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[歴史 傳統 文化] カテゴリの最新記事
|
|