テーマ:皇室 二(50)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
今日は旧暦二月十日。如月、蟄の虫戸を啓く。 本日は「文藝春秋」平成十八年二月号、寛仁親王殿下の「なぜ私は女系天皇に反対なのか」から四回目。 《皇族とは突き詰めて考えると「存在していることが大切」》 何のために存在しているかというと、皇統を守るためである。皇統は今まで百二十五代男系で続いてきた。推古天皇、孝謙・称徳天皇、皇極・齊明天皇、元明天皇、持統天皇、元正天皇、明正天皇、後桜町天皇は全て男系女子、それ以外は男系男子である。 天皇さま その血の重み なぜ私は女系天皇に反対なのか わずか一年の議論で決定 寛仁親王殿下 (続き) 振り子の原点としての存在 櫻井 決して多くない歳費に対して、国民からはご公務や暮らしぶりについて、こうあってほしいという非常に大きな期待がある。功利的に考えますと、皇族とは非常に損な役回りであると言ってもよいでしょうね。しかし、そういう中でも、皇族の方々は、自分たちはいかにあるべきかをお考えになってこられた。 殿下は、皇族の存在というものを突き詰めて考えると、何であるとお考えですか。 寛仁親王 結局、突き詰めて考えると、存在していることが大切なのです。たとえば我々がどういう仕事をするのかは法律で決められているわけではありません。乱暴な言い方をすれば、何もしないで朝、昼、晩とご飯を食べ、好きなことだけやっていてもいい。私の場合、国民のためになる仕事をしようという気持ちがあるからワーカホリックになってしまうのですが、ずっとピュアに考えていけば、やはり血統を守るための血のスペアとして我々は存在していることに価値があると思います。ですから、皇位継承権については、小さな時から意識がありましたね。下手をすると自分のところに皇位が回ってくる、そうなればとんでもない話になってしまうぞ、という意識です。 私は皇位継承順位が第七位(現在は五位)という時期があって、ラッキーセブンで気に入っていたのですが、ちょうど英国に留学していた時期に皇太子妃であった美智子様がご懐妊された。皇太子様と秋篠宮様はもうご誕生されていたので、私は、「ラッキーセブンから動きたくありきせんので、どうか内親王様にしてください」とお手紙を差し上げたのです(笑)。そうしましたら紀宮様がご誕生になって、皇位継承権は動かなかったんですね。 櫻井 存在していることそのものが大切というお考えは、実は日本文明の核であるような気が私はしております。 今回の「有識者会議」は天皇を戴く皇室をさまざまな理屈で解釈し、とうとう女系天皇容認という皇室の伝統を覆すような結論を出しました。女性天皇は歴史上存在しましたが、女系天皇はいなかった。有識の人々はそれを認めるというのです。 しかし、日本は半ば神話の時代から今日まで、神武天皇の血を引く天皇を戴いてきた、万世一系、つまり男系の血筋を重んじてずっと継承してきた。その事実自体が日本民族生成の物語なのです。その物語は、大切なものとして受けとめなければならない。 寛仁親王 天皇様というご存在は、神代の神武天皇から百二十五代、連綿として万世一系で続いてきた日本最古のファミリーであり、また神道の祭官長とでも言うべき伝統、さらに和歌などの文化的なものなど、さまざまなものが天皇様を通じて継承されてきたわけです。世界に類を見ない日本固有の伝統、それがまさに天皇の存在です。 私は天皇制という言葉が好きではありませんから、仮に天子様を戴くシステムと言いますが、その最大の意味は、国にとっての振り子の原点のようなものではないかと考えています。 国の形が右へ左へさまざまに揺れ動く、とくに大東亜戦争などでは一回転するほど大きく揺れましたが、いつもその原点に天子様がいてくださるから国が崩壊しないで、ここまで続いてきたのではないか。 私の友人にマイヤースさんという米国人がいますが、戦後、日本に来て商売を始めた人で、日本文化に理解が深く、浅草のお酉様には必ず行って、商売繁盛のために熊手を買ってくるような人です。 そんな彼でも、最初に日本に来て商売を始めた時は、いろいろな障壁にぶつかった。日本には派閥政治など外国人にはわからない根回しの文化があって、今、佐藤栄作さんとうまくやっても、次に誰が政権の座につくかわからないし、大臣にしてもコロコロ代わって、誰と約束していいのか皆目わからない。しかし、彼はその時、「天皇を担保と考えた」と言うのですよ。「天皇を担保と考えると、日本は絶対に変わらないのだから、自分は商売を続けられると考えた」と。 陛下を担保にたとえるなどあまりにも畏れ多いことで、私は思わず、「お前はなんて失礼な奴だ」と文句を言いましたが、なるほど合理的な外国人はそう考えるのかとも思いました。これは、振り子の原点にいてくださるというのと同じ発想なのかもしれません。 ただ、現在の問題というのは、最初に櫻井さんが言われたように、皇室とか皇族というものについて、くわしく知っている人が本当に少なくなったということですね。 (続く) 愛子内親王殿下は男系なので、民間男子との間に設けられた御子様は「女系」ではなく「雑系」という事になる。 男 ┌─女…雑系女子 ├─┤ ┌─女 └─男…雑系男子 │ (神武天皇) 女 │ 女 ┌─女…男系女子 ├─┤ ├─┤ 神倭伊波礼毘古命 ┌男 └─男 └─男…男系男子 │ │ │ │ │ │ ┌─男…双系男子 ├─────┤ ├─┤ │ │ │ └─女…双系女子 │ │ │ 多多良伊須気余理 └女 ┌─女 ┌─女…女系女子 ├─┤ ├─┤ 男 │ 男 └─男…女系男子 │ └─男 ┌─女…雑系女子 ├─┤ 女 └─男…雑系男子 このたびの「女系天皇問題」に関して政府に言いたい事のある方は左記より。 平成十八年 三月九日 デファンクト「狐っぽい女」を聴きながら コメント・トラックバックは予告無しに削除する場合があります。あらかじめご了承下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月28日 12時14分15秒
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