テーマ:皇室 二(50)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
旧暦二月廿一日、社日。如月、桜はじめて開く。 本日は「文藝春秋」平成十八年二月号、寛仁親王殿下の「なぜ私は女系天皇に反対なのか」から八回目。 皇統は神話の時代から数えて二六六六年、歴史的に異論のない範囲でも一五〇〇年以上、男系で受け継がれてきた。皇紀二六六六年というのは六六〇年水増しされているという説を採ると今年は皇紀二〇〇六年である。 天皇さま その血の重み なぜ私は女系天皇に反対なのか わずか一年の議論で決定 寛仁親王殿下 (続き) 本当に「陛下のご意思」か 櫻井 最後に皇室典範を改正しようという一連の流れの中で、非常に気になるのは、拙速な議論に反対する勢力に対して、まことしやかに「これは陛下のご意思です」と言って、反対論を封じ込めようとする動きがあることです。 寛仁親王 一昨年の十一月に陛下が宮内庁長官と侍従長をお呼びになったという事実があるそうですね。そこから「有識者会議」の設置などがばたばた決まったので、そういう話も出てきているのかもしれません。 櫻井 以前も似たケースがありました。平成四年の天皇陛下の中国御訪問でした。この時も強い反対論があったのですが、推進派であった当時の柿沢弘治外務政務次官や橋本恕中国大使らが、「これは陛下のご意思である」と言って、反対論は消えていきました。私はこれを大変不審に思いまして、取材して『文藝春秋』にレポートしたのですが、陛下がいつ、どこで、誰に対してご意思を洩らされたのか、柿沢さんはもとより、誰一人答えることが出来ませんでした。つまり実体のない話だったのです。 しかし、結局、陛下はご訪問を余儀なくされました。 政府は、困っている時に手を差し伸べれば中国は必ず恩義に感じ、日中関係はよくなると言っていたにもかかわらず、日中関係はその後、最悪になっています。この過ちが繰り返されてはならないと強く思うのですが、本当に女系容認とか、長子優先といった今回の報告書は陛下のご意思に沿ったものである可能性があるのでしょうか。 寛仁親王 今の典範のままですと、いずれ先細りになって皇位継承者がいなくなるという可能性はありますから、ご自分の御世のうちにしかるべき確かな方法を考えてほしいというくらいのことをおっしゃった可能性はあるかもしれません。しかし、具体的に、女系を容認せよ、とか、長子優先とか、そうおっしゃる可能性は、間違ってもありません。陛下はそういうことをおっしゃる立場にありませんし、なにより非常に真面目なご性格からしても、そのような不規則発言をなさることはあり得ないでしょう。 櫻井 ならば、陛下のご本心は、「有識者会議」の報告書と同じなのか、それとも反対でいらっしゃるのか。私には二千六百六十五年続いた伝統をご自分の代で変えてしまうことを陛下はお望みではないと思えてならないのですが。 寛仁親王 あれだけ神道の祭事を生真面目にこなされている天皇様も珍しいですからね。 櫻井 やはり私たちは声を大にして、拙速な議論を戒めていかなければなりませんね。 寛仁親王 私が国民にお願いしたいのは、愛子様が即位されるにしても、それまで少なく見積もっても三十年から四十年はあるわけです。その間にこれまで皇統を維持するために先人たちがどのような方策をとってきたかの事実をよく考え、さまざまな選択肢があることを認識した上で、ものごとを決めてほしいということです。 それでも国民の大多数が女系天皇でいいと言うのでしたら、そこで大転換すればいいのであって、今すぐ決めるという必要はありません。そして、ほかになし得る方法があるのなら、まず、そちらをやってみて、それでも打つ手がなくなった時に初めて変更を認めるやり方のほうが、よりよいのではないかと考えています。 愛子内親王殿下は男系なので、民間男子との間に設けられた御子様は「女系」ではない。 男 ┌─女…雑系女子 ├─┤ ┌─女 └─男…雑系男子 │ (神武天皇) 女 │ 女 ┌─女…男系女子 ├─┤ ├─┤ 神倭伊波礼毘古命 ┌男 └─男 └─男…男系男子 │ │ │ │ │ │ ┌─男…双系男子 ├─────┤ ├─┤ │ │ │ └─女…双系女子 │ │ │ 多多良伊須気余理 └女 ┌─女 ┌─女…女系女子 ├─┤ ├─┤ 男 │ 男 └─男…女系男子 │ └─男 ┌─女…雑系女子 ├─┤ 女 └─男…雑系男子 このたびの「 平成十八年 三月二十日 下田逸郎「花よ鳥よ風よ月よ」を聴きながら コメント・トラックバックは予告無しに削除する場合があります。あらかじめご了承下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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