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占領下の法令を破棄し、真の独立回復を  


  
(日本会議設立五周年に寄せて 平成14年5月)

明治維新のことを考えると、結局「抜本的」ということが歴史を動かしたように思う。

幕府が勅許を得て外交をやるとか、公武合体論でわくとか、いろいろと無難そうな案はあったが、結局、幕府をなくし、更に大名までなくする方向が新生日本への正道であった。

この当時の極論を実現した岩倉具視や大久保利通や西郷隆盛らこそが維新日本の創始者であった。極論はたいていの場合はダメなものだが、極論でなければ「生き筋」が見えない非常事態もあるのだ。

敗戦し占領下にあったということは日本の非常事態であった。それを常態にするには極論的な方針が必要であったはずである。
それをやらないでずるずると常態にもどったと錯覚したとがめが半世紀後に出てきているというのが現状であろう。

それで、私の「極論」をのべさせていただいて日本会議の御参考に供したいと思う。

まず、日本が占領下にあった昭和27年4月28日までは、日本には主権がなく、日本における最高権威は占領軍であったことを明確に認識することである。

従って新憲法も含めて、占領下のすべての法律や条令は、日本の主権がない状態の下で日本人に与えられたものということになる。

日本の議会があっても、占領軍の意に反したことは何一つ議決できなかったのである。それどころか新憲法があるにもかかわらず、死刑(東京裁判)が日本の法律によらずに日本国内で行われたのである。

われらはまず、昭和27年4月28日の独立回復以前の占領下の日本の法律・法令は、憲法や教育基本法を含めて、独立回復後は本質的に無効であり、日本人の手で作りなおすべきだと宣言しなければならない。

明治維新になれば徳川時代の禁令などは無用であり、ナチスの占領が終れば、ビシー政権の法令は無効になるが如しである。




上智大学名誉教授  渡部 昇一





14.5.1


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