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日本戦略研究所



中国人の本音 


中国共産党政府のシンクタンク、中国社会科学院が発行する学術誌「世界経済と政治」に掲載された張叡壮氏の「戦争責任追及を 国威損なう譲歩、徹底清算が必要」という論文(産経新聞1/10)は、日本に対する中国人の本音がよく表われていて非常に面白かった。

論文の主張は
(1)日本は戦争犯罪を認めない中国の宿敵である。その日本に対する譲歩は中国の国威を損なうことになる。

(2)宿敵日本に戦争犯罪の清算を迫ることを中国の外交方針とすべきである。
なぜなら中国人は世界で最も虐げられた民族であり、憤怒を忘れれば再び弱者として虐げられることになる。
だから、中国人はユダヤ人のナチスドイツの戦争犯罪追及を見習って、日本の戦争犯罪を徹底的に追求し、
それを認めさせ、新たな謝罪と賠償をさせるしかない。

(3)日本の政治・軍事的地位は戦後の国際秩序で固定されたもので、中国は日本の政治・軍事大国化を阻止しなければならない。
それを許せば、国連と東アジアにおける中国の限られた影響力は、大国化した日本と米国の連携で弱体化してしまう。

(4)対日歴史問題は中国の外交資源である。だから日本側から何の譲歩も確約もなく妥協する必要は無い。

どの主張も日本人にとって噴飯もので、特に対日賠償請求は中国の対日賠償放棄を定めた日中平和友好条約に反した主張であるが、
この論文は中国共産党政府のシンクタンクのものであり、現在の中国共産党政府の対日観そのものだから恐ろしい。

また、こうした考え方は中国共産党政府の世界一の反日教育の成果でもあり、中国人は子供の頃から「日本は戦争犯罪を認めない中国の宿敵である」と教育され、中国人の大半がそう信じ込んでいる。
「宿敵日本」が今の中国人の共通認識だから、些細なことで大規模な反日デモが発生するのである。


面白いのは(4)で中国にとって対日歴史問題は外交資源であり、日本の譲歩や確約を引き出す取引材料であると主張していることである。
即物的な中国人らしい発想で、歴史問題をネタに日本から金をせびり取ろうという本音が剥き出しになっている。

中国が日本国首相の靖国神社参拝に対し徹底した内政干渉を行うのは、「日本は戦争犯罪国である」という東京裁判史観に日本国民を縛り付けておかなければ、将来、日本から金を奪い取ることができなくなる。敵も必死なのだ。

小泉首相の靖国神社参拝はそうした中国共産党政府の野望を挫く、重要な政治的行動なのである。

次に中国が嫌うのは(3)日本の政治・軍事大国化である。これは追々実現していくとして、まず日本は米国との軍事的連携を強化することが重要である。
中国にとって東アジアにおける米国の軍事的プレゼンスほど目障りなものはない。
米国軍さえいなければ、圧倒的な軍事的優位をほこる中国は東アジアの覇権国になれるのである。
尖閣諸島、沖縄、台湾すべて中国に併呑されることは間違いない。

世界一の反日教育によって、中国国民の大半が「日本は中国の宿敵」であると信じている。そうした国が東アジアの覇権国になることは、
日本民族にとって脅威以外の何者でもない。

中国共産党政府が存在する限り、日本にとって日米軍事同盟は不可欠なのである。


 
 

16.1.25




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