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風と散策

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2006.07.22
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テーマ:ニュース(99457)
カテゴリ:ニュース
裁判官も検事も泣いた、という裁判が京都地裁であった。

認知症の86歳母親を看護疲れと生活苦の為、54歳の息子が
合意の上で首を締めて殺し、自分も手首や首を切ったが
通行人に発見されて助けられた、というもの。

11年前に父親が亡くなり、以来母親との二人暮らし。
10年前から母親が認知症を発症し、看護の為
月、18万円程の仕事を週に1度くらい、休んでいたが、
去年の4月頃から症状がひどくなり、
週1が週2、3になり、終には辞めざるを得なくなった。

失業給付金が支給されたが、その間、「生活保護」も
申請したが、併給は認められず、
失業給付金が終わった時点で、生活保護を再申請すれば
良かったのだが、行政の積極的な介入も見られず
(給付が終わったら又お出でという言葉がなかった)、
本人もどう誤解したのか知れないが、生活保護は受けず仕舞いだった。

失業給付金が切れた時点で困窮が始まり、
母には食べさせても、自分は2、3日なら食べずに過ごした、という。

「お母さん、もうじきお金が無くなるよ」
「そうか、無くなるか」 
「病気になって苦労を掛けるね」

こんなやりとりは、取調べ、或いは裁判の中で明らかにされたものだと思う。

今月分の家賃が払えない、と分かった1月31日、
所持金7千円を持って、母を車椅子に乗せ、最後の小さな旅に出た。
子供の頃、両親に良く連れて来て貰った市内の繁華街・・・・
日が暮れる迄歩き、そうして辿り着いたのが桂川の河川敷。

「もう生きられへんのやで。 ここで終り。 済まんな」
「そうか、アカンか。 康晴一緒やで。 お前と一緒」
「こっちへ来い。 康晴はわしの子や。 わしの子やで」

風2534注(認知症とは時として正気に戻る場面あり)
 
被告は母が大好きで、「生まれ変わっても母の子供に
生まれたい」と陳述したそうだ。

検察側が被告の母への愛情を詳述するなど、異例の展開を辿った。
懲役2年6ヶ月。執行猶予3年。

裁判官は
「社会に出てもお母さんの為に幸せに生きて欲しい」
「裁かれているのは被告だけではない。
 生活保護に携わる行政の対応が裁かれている」と結んだ。

まるで警察小説そのままではないか!
傍聴席に居たら私は嗚咽していただろう・・・・



先日、先進30カ国の内2番目に貧困層のパーセントが多い国として
どこかの国の機構に日本が認定された(一位はアメリカ)。
格差社会と聞いてても、ここ迄とは思わなかった!

貧困の一因に、上記の如き老人介護の為の失業事態も
少なからず関与してるだろうし、これから更にして来るだろう。

話は飛ぶ様だが、私は海外で災害が起こる度
(直近ではインドネシアの再びの地震)、あ~又
援助金を日本に期待され、日本も惜しげもなく(或いはしぶしぶ)
振舞うんだろうな・・・という事。

日本は「金持ち」と思われているのだ!
たかれば(言葉は悪いが)いくらでも出してくれる、と
思われていて(内実は火の車なのに)、
「見栄」の為に、振る舞い続けなければならない状況だと推察する!

或いは、開発途上国等に援助を「せっせ」と怠らず、
国連の安保理常任理事国入りを後押しして貰う為の、布石作りをするが為に。

しかし、足下を見て欲しい。
日本は世界に名だたる災害国で、極論になるが
人様の面倒を見ている場合か・・・って言いたくなる。
一昨年のインドネシア大津波の何十万という被害等は
この場の対象ではないが、比較的少ない被害等は
自助努力でやって欲しいものだ。

又、「災害」から「貧困」に目を向けると
上述の母殺し事件を良い例にして、だからこそ、
政府は開発途上国を援助するお金があったら、
「自国の民を救え」と言いたくなる。






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最終更新日  2006.09.03 16:59:35
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