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峠幾三のちいさな発見・旅模様

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2006/03/19
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松江を出て、R9を東へひた走る。日も暮れ、景色も楽しめない。 

 鳥取を過ぎてもまだ北海道か栃木を迷っていた。

 いい加減に決めないと。

 兵庫の和田山あたりで…。「金も少ないしなぁ、よし、栃木だ!」と決めた。

 琵琶湖の北を抜け、木之本から岐阜へ抜けよう。新穂高あたりまでがんばって風呂にでも入ろう!

 
 そう決めたら走りも快調になった。

 福知山から舞鶴へ。

 海沿いを走っていると、でっかい船が見える。

 「あれが新日本海フェリーか~」 近くまで行ってみよう…。

 
        デカイ 


 今まで乗ったフェリーなど漁船のようである。こいつに乗ると明日には小樽か…。


 ためしにターミナルに入ってみる。

 これが間違いだった。

 
 また迷ってきた。こいつに乗れば…。優柔不断を極めているのだ。



 その数時間後の二等室…。



 タオルを頭に巻いた男が地図を見ながらビールを飲んでくつろいでいた




 というわけで突然の進路変更があり、20時間の船旅が始まった。

 
 ビールがうまい。

 まずは、いつものように船内探検だ。

 広い。

 レストランもあるし、自販機も充実。デッキも広く椅子がある。これは楽しいゾ。


 部屋に帰ると隣に人が。

 挨拶を交わす。京都からのライダー2人組で50歳と30歳くらいだろうか。仕事場の先輩、後輩らしい。

 若い方は「松ちゃん」というようだ。年上の方は松ちゃんが「おっちゃん」と呼んでいた。なかなかいい感じの人たちだ。

 すぐに打ち解けて仲良くなった。


 消灯まで一緒に酒を酌み交わした。北海道についていろいろ情報交換。

 松ちゃんはどうもかなり強引に連れてこられたようである。

 函岳を紹介した。今回、俺が行きたい場所のひとつである。

 名寄の北にある音威子府の山の中にある山で、頂上まで林道があり、車でも行ける。

 晴れた日にはオホーツクと日本海が見渡せる絶景らしい。

 おっちゃんも行く気満々になった。


 消灯になったのでデッキに出て飲む。


 松ちゃんがビールとつまみを買ってきてくれた。ついさっき会ったのにかなり仲よくなった。


 アホなことを話していたら、おっちゃんが…。

 「函岳の頂上には箱が置いてあるんや~。」と教えてくれた。俺はかなり真面目に聞いていた。

 「何でですか?」と聞いてみると、


 「箱だけや!」

 
 何~!!!  オヤジギャグだったのだ。しかし、爆笑。

 オヤジギャグを完璧に使いこなしている。もっていき方がうまい。

 さすがは京都で50年もすごしただけのことはある。


 しばらく話していると、ジョニーウォーカーを片手にナルシスな兄ちゃんが混ざってきた。その後、しばらく飲み、2時過ぎに部屋に帰った。






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最終更新日  2006/03/19 08:53:09 PM
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