カテゴリ:お気に入りスポット♪
久しぶりに東北へ行ってきた。 松江から高速を使って1500キロ。 松江では散ってしまった桜がまだ咲いている青森へ入った。 青森に着いてYさんと甚で待ち合わせ。 3年ぶりだが、久しぶりという感じは全くない。 待ってくれていた甚のママ、後から入ってきたYさん。 3年前に会った時と同じように飲んで話して盛り上がった。 翌朝、二日酔い気味で起きた。 俺の気分とは違い、眩しい青空が広がっていた。 朝から南に下り始めた。 青森から高速に乗ったらよかったのだが、どうしても行きたい場所があった。 青森市内から八甲田へ向かう国道103号を走る。 雲谷のスキー場を抜けた先にある岩木山展望所という所に行きたかった。 初めて東北を訪れたのは23歳の秋。 Yさんともその時に知り合った。 初めての東北で、しかも初めて1週間の日程の旅だった。 あっちも行きたい、こっちも行きたい。 最近のように1箇所でのんびり過ごすことが少ない旅だった。 …… …… …… 23歳の秋。 青森に入って数日後、八甲田へ向かって走っている時、岩木山展望所でブドウを売っている老夫婦に会った。 見たことないブドウだった。 スチューベン、ナイヤガラという品種のブドウ。 3房で500円ほどだったように記憶している。 両方買うと6房、1人で食べきれる量ではない。 でも、食べてみたかった。 で、「1房ずつ買えませんか?」ときいてみた。 「いいよ、お金は要らないから持って帰りなさい」と津軽弁でお爺さんは言ってくれた。 お金を払おうとしても受け取ってくれない。 根負けしてお礼を言ってブドウを受け取った。 その後、しばらく老夫婦と話をした。 ブドウは今朝収穫したとか、お爺さんの畑の話や、俺の実家の話など。 津軽弁が聞き取りにくい幾三にわかりやすく話してくれた。 1時間程居ただろうか。 「そろそろ行きます!」と言った。 お爺さんが手を出してくれた。 俺も手を出した。 厚い手のひらで俺の手をグッと握って、 「くれぐれも運転には気をつけて、元気で」と何度も言ってくれた。 夫婦と別れてからブドウを一粒口に入れた。 初めて食べる味だった。 酸味が少なく、優しい甘さが口に広がった。 優しい甘さとお爺さんの言葉が重なった。 あれから5年。 岩木山展望所に着くと車がたくさん停まっていた。 老夫婦が店を出していたところはアスファルトに変わっていた。 辺りを見回したが老夫婦はいなかった。 元気にしているだろうか。 5年ぶりにそこから眺める岩木山はまだ雪をかぶっていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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