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カテゴリ:◆宝石解説
■■パライバトルマリン■■ 銅及びマンガンを含有するブルー~グリーンのエルバイト・トルマリン(産地は問わない) マンセル・カラーブック 2.5G(帯黄緑色)~5PB(紫青色)の色相で、明度と彩度は中程度。 1980年代にブラジル・パライバ州バターリャ鉱山で、銅を含有する美しいエレクトリックブルー色のトルマリンが発見され、産地から名をとり「パライバトルマリン」と呼ばれました。 パライバ州周辺でのみ採掘され、ダイヤモンドを越える価値があるほどの稀少な宝石です。 まるで自ら発光しているかのような蛍光塗料のような色合いと、 水で濡れているかのようなトロリとした照りが美しい宝石です。 それは地球の青色、南国の海の色などと称され世界中の人々を虜にしています。 当初ブラジルでしか産出されなかったパライバトルマリンですが、 近年になって遠く離れたアフリカのナイジェリアやモザンビークでも発見されました。 これは、大昔の大陸移動前の地形ではブラジルとアフリカは繋がっていて、 パライバ州と非常に近い場所であったためと推測されています。 アフリカ産のものはブラジル産に比べ銅の含有量が少ない石が多く色が薄くなりがちです。 しかしクリーンで大粒の物が多く採れています。 ブラジル産の銅発色とアフリカ産のマンガン発色によるネオン感には微妙に違いがあります。 パライバトルマリンは『天空の城ラピュタの飛行石のモデル』とも言われたりしますが、 実際は関係ありません・・・・。 パライバトルマリンが発見されたのは1987年。 そして1989年世界最大のミネラル・ショー「ツーソン・ショー」で話題となり世界的に有名になりました。 『天空の城ラピュタ』が公開されたのはそれよりも前の1986年です。 つまり『天空の城ラピュタ』を制作している時点ではパライバトルマリンはまだ発見されていません。 『自己主張が強く本来協力して1つの色を作り上げる事が難しい 銅(Cu)と酸化クロム(Cr)が混ざり有った事による奇跡の発色!』 このような内容の解説がネットや宝石解説本に書かれているのを沢山見かけます。 しかし、これらの記載は誤りです。 GRS Contributions to Gemology No.9 http://www.gemresearch.ch/journal/No9/No9.htm (23~24頁を参照) American Mineralogist Volume 76 - 1991 http://www.minsocam.org/msa/collectors_corner/arc/elbaitecu.html 上記2分析レポートによるとクロム(Cr)は検出可能範囲の0.01以下で検出されていません。 パライバトルマリンの色の直接原因は銅です。 マンガンは加熱前のバイオレッドの部分に影響します。 クロムは無関係だと思います。 日本宝石共同組合「お客様の声 2010」2010.4.13の質問回答 http://www.gem.or.jp/voice/voice2010.html つまりパライバトルマリンの発色にクロムは関係ないのが真実です。 恐らく緑色のクロムトルマリンに銅の青色が加わったものがパライバトルマリンだとの 勘違いが広まったものだと思われます。 パライバトルマリンは銅が着色原因として機能するとターコイズブルー色。 2価マンガン+チタンまたは鉄+チタンが機能するとグリーン色。 3価マンガンが機能すると紫~ピンク色となります。 3価マンガンはパライバトルマリンの発色には邪魔になります。 そこで加熱処理により3価マンガンを2価マンガンに変えて紫色を取り除きます。 熱に強い銅は変化しにくいので銅と2価マンガンの色合いが残り、 パライバトルマリンと呼べるブルー~グリーンの色合いになります。 全国宝石学協会 Research Lab. Report 1998.03 同一原石を半分にカットし右側は530℃で3時間加熱処理した物です。 ※GIA 2008年レポートより 3価マンガンが優勢になった加熱前のモザンビーク産エルバイト・トルマリン(銅成分検出済) (これを加熱すると紫味が消えパライバトルマリンになる可能性があります) ※マンガンは25個の電子が原子核のまわりを回っています。 しかし、一番外側の2~7個の電子を失ってしまう場合があります。 この失った状態を2価~7価と言います、通常マンガンは2価が一番安定した状態です。 発見当初のバターリャ産パライバトルマリンは採掘された原石の段階で綺麗なネオンブルーをしていましたが、良質の原石が少なくなり現在では多くのものが加熱処理によって青や緑色になっています。また、アフリカ産のものについても殆どが加熱処理されています。 パライバトルマリンは内包物が多い原石が多く、エメラルドのように傷を隠し透明度の改善の為にオイルや樹脂の含浸処理が行われている場合もあるので注意が必要です。 鑑別書の備考に『透明度の改善の為の無色透明材の含浸が行われています。』と 記載がないか確認しましょう。 日本におけるパライバトルマリンの色評価は、 青い石ほど高評価で青味が全く無い緑色だと評価が下がってしまいます。 また、色が濃く透明感のある信号機の青のようなネオンカラーの石が人気で、 アクアマリンのような淡い色の石は評価が低くなっています。 パライバトルマリンの鑑別には特別な蛍光X線分析が必要で、 通常の宝石鑑別より高額(1万円前後)になります。 また、分析報告書には銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率が記載されていますので 高額な商品を購入する際には目安にすると良いでしょう。 一般的にブラジル産の濃いネオンカラーの石は銅の含有率が1.5%~2.5%前後と高いです。 (蛍光X線分析はジュエリーになった状態でも測定可能です) ■蛍光X線分析のサンプル■ この色合いで銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率は以下の数値と報告されました。 この色合いで銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率は以下の数値と報告されました。 この色合いで銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率は以下の数値と報告されました。 この色合いで銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率は以下の数値と報告されました。 この色合いで銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率は以下の数値と報告されました。 この色合いで銅(Cu)とマンガン(Mn)の含有率は以下の数値と報告されました。 eBayでGIT鑑別付きのモザンビーク産パライバトルマリンが沢山出品されていますが、 色について写真では良く判らないので鑑別書の色記載での見分け方。
日本では青が強い方が評価が高いのでできればBLUE-GREEN以上を選びましょう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.07.16 23:53:11
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