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明日の講座は「器楽的幻覚」「冬の蠅」の二作品である。作品が少ないので、作品に対する濃度は濃い。短い作品であるが文字が極小で読み難い。眼が疲れたので、和白干潟に出かけてきた。干した洗濯物が濡れたりしたが、どうやら昨日の晴天と違い今日は一日今にも降りそうな空模様だ。対岸の人工島もぼやけて見えていた。それでも気温は暖かいので、十二月とはとても思えない。
・梶井の作品に対する愛読者が多いと聴いている。若くて夭折した作家に対する愛惜の念が強いのだろう。それと何とも繊細な文章だろうか。この難解なナイーブな文章を理解できる日本人はそう大勢いるとは思えない。然し、モノローグという分野は日本の伝統芸でもある。感覚派というべきジャンルの作家のひとりであり、詩歌のそれにちかい表現をする信条としているのだろう。
・へ2・・・宿命に立ち向かおうとしない姿勢は、どこかなよなよとしているが、心が弱いわけではない。他人とかかわろうとしないのは、ナイーブな青年の典型だが、それを見ている世間がある。誰も何も言わない。援けても遣らない非情さがある。どうせ、<冬の蠅>のように消えていくしかないと諦めてもいる。それを梶井という作家が書いている。
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最終更新日
2008.12.11 17:13:15
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