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2006年08月19日
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カテゴリ:自然科学・宇宙
今回から主にネコの模様に関する話題に重点をあてていきます。

まずは今後の説明のための予備知識となるメラニン合成の簡単な仕組みと、メラニン合成に影響を与えるネコの餌について紹介します。

下の図に色素であるメラニンが合成される仕組みを示します。

メラニン合成

メラニンは、メラノサイト(色素生成細胞)の中にあるメラノソームという小さな袋の中で、チロシンというアミノ酸から複雑な過程を経て合成されます。
このメラニンの合成にはチロシナーゼという酵素が大きな役割を果たしており、チロシナーゼがうまく働かないとメラニンを合成できなくなります。

ところでメラノサイトの表面には特定のタンパク質を受け入れる穴が開いていて、ここにMSH(色素細胞刺激ホルモン)というタンパク質が付着すると、メラノサイトが刺激されてユーメラニン(黒い色素)を合成するようになります。

一方この穴にアグチタンパクというタンパク質が付着しまうと、MSHが付着するのを阻害してユーメラニンの合成を妨げます。その結果ファオメラニン(茶色の色素)が合成されます。

ちょっと難しいですが、こんなもんだと思っていただければ今のところは結構です。

ところでメラニンはチロシンから作られることに目をつけて、ネコの体内のチロシン量と毛色の関係を研究したアメリカの研究者がいました。

それによると次のような結果が得られたそうです(文献[1]からの孫引きです)。
  • 真っ黒の黒ネコにチロシンがあまり含まれていない餌を与えると毛色が赤茶色になった。

  • 妊娠している母猫にチロシンの少ない餌を与えたところ、生まれてきた子猫の色は本来黒のはずなのに茶色になった。
結論としては、十分にメラニンを合成できるためにはネコの餌1キログラム当たりチロシンを4.5グラム、チロシンの原料となるフェニルアラニンというアミノ酸を12グラム含んでいることが必要だとのことです。

ご参考
チロシンを含む食物チーズ、タラコ、しらす干し、たけのこ、落花生、大豆
フェニルアラニンを含む食物大豆製品、乳製品

私はペットフードには詳しくないですが、wikipediaのキャットフードの項によると、日本のペットフード公正取引協議会の基準にしたがって以下のような表示をしている餌であれば、チロシンとフェニルアラニンは必要量含まれているようです。
  • 「総合栄養食」

  • 「猫用飼料」

  • 「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。」もしくは

  • 「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されています。」
毛色が猫の健康に即影響を与えるとは思いませんが、その猫の本来の姿を現してもらうためにも、正しく餌を与えた方が良いでしょうね。

参考文献
[1] 仁川純一著, "ネコと遺伝学", コロナ社, 2003年8月.





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Last updated  2006年08月19日 21時29分20秒
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