「おくりびと」の試写会に行ってきた。
cinemacafe.netさんのご招待。アナウンスでは「シネマネットカフェ」って呼ばれてたけどね。惜しいっ。…クローン・ウォーズ以来、どうも場内アナウンスに厳しくなっちゃって(笑)。
映画のほうは、所属していたオーケストラが解散して失業したチェリスト(本木雅弘)が、妻(広末涼子)を連れて故郷の山形に帰って、求人広告の勘違いから見つけた職が「納棺師」だったという、ユーモアと感動の物語、かな。納棺師というのは葬儀会社の下請けの超ニッチな職業だそうで、遺体を清めて着替えさせて死に化粧なんかもして棺に入れるのが仕事。しかもそれを居並ぶ遺族の前で所作美しくやるの。そんな職業があるのねえ。私が最後に関わった葬儀は10年くらい前だけど、納棺をどうしたかなんてさっぱり覚えてないもん。そういう儀式には地域差もあるのかもね。遺体を扱う仕事に主人公は最初は及び腰で、妻にも内緒で働き始めるんだけど、社長(山崎努)の仕事に対する姿勢や遺族たちの喜ぶ姿を見るうちに、仕事に対する考えが変わってくるのね。そのへんのあがきっぷりがけっこう笑えたりジーンときたり。でも妻や友人にはその仕事をよく思われなかったり、さらには生き別れの父への感情なんかも絡んできて、全編を通して主人公が自己を見つめなおしていくようなお話です。自分の身近な人を亡くしたことがある人が見れば、きっともっと感動するに違いないなあ。音楽が久石譲で、主人公がチェロを弾くシーンがふんだんにあるのもいい感じ。脚本の小山薫堂は「カノッサの屈辱」や「料理の鉄人」の放送作家だったとか。なんか納得だわー(笑)。不思議に面白い映画でした。