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カテゴリ:映画(邦画)
この人の人生には、幸せの文字がない。
選択する事はことごとく裏切られ、愛する男には捨てられ、家族からも捨てられて。。。 そして、こんな人生の結末。 映画全体は、歌や、ちょっとしたコメディに包まれているが 痛すぎて笑えない。 赤のコントラストが強すぎる映像の中に吸い込まれると 悪夢を見ている気分になる。 この人の根底には愛に飢えた心がある。 父に対する愛。 二度と帰れない故郷に対する愛。 そして、妹に対する羨みと、それを越えるほどの愛。 それが、報われず報われず。。。 でも、やはり愛さずにはいられない。 「殴られてもいい。1人よりはマシ」 ここまで愛に飢えた人間を真っ正面から見せられたのは初めてかも知れない。 女として、この人生は絶対に歩みたくない物だ。 しかし、実際は「松子」は、全ての女性の中にいる。 不器用に愛してしまったり、愛されたくてたまらなかったり。 全ての女性が一歩踏み外せば松子になる。 人はどれだけ愛されたかよりも、どれだけ愛したか。 松子が、求めて求めて彷徨い続けた幸せは、 今、長い階段の上にある。 帰りたくて帰れなかった「お帰り」の声に迎えられて。 豪華なキャストと、インパクトの強い映像で、素晴らしい中島ワールドを 「下妻物語」に引き続き見せて貰う事ができた。 主演の中谷美紀の演技は、まさに体当たり。 ストーリーを最初から最後まで案内する形になった甥の笙役の瑛太の 淡々とした演技も良かった。 この甥に、もっと早く出会っていれば(出会っていたわけだけれども) 彼女の一生もまた変わったかなぁ。。。 まーげてー、のばしてー、お星さまをつかもう。。。 と言う、物語の到る所に流れる童謡が一番心に突き刺さるラストシーン。 勝手に流れる涙を止める事ができなかった。 痛いけれども。。。秀作かなぁ。 ・嫌われ松子の一生 公式HP 【公開中の映画のトラックバックリスト】 ・ダ・ヴィンチ・コード ・間宮兄弟 ・チェケラッチョ!! ・海猿 ~ LIMIT OF LOVE ~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年06月07日 22時31分38秒
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