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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:映画(外国語)
パンが無ければお菓子を食べればいいのよ。
のセリフで有名な、フランス国王ルイ16世の王妃。 もっとも、この言葉、劇中でもアントワネットが言っていたように 実際には王妃が言ったわけではなく、でっち上げらしい。 不評が多い映画だったので、迷ったのだけど「ベルばら」を読み込んだ世代としては どうしても見ておきたい作品だった。 ストーリーはどうでも、とにかく美しいベルサイユ宮殿、美しいドレス、 その当時の空気に触れてみたかったのである。 多くの映画ブロガーさん方が書いているように、映画の内容は 歴史をなぞる事は全くなく。。。 ただ 踊って、着替えて、食べて、夜遊びして、着替えて、食べて、踊って、遊んで。。。。。 の繰り返し。当時の民衆の声や姿は何もない。 でも、私は思ったのだ。 これが彼女その物なのだろう。 これが当時の彼女の目線だったのであろう。 当時の歴史背景も情勢も何も解らない映画。 それは、アントワネット自身を表しているのだ。 つまり、知らない隣国に嫁ぎ、好奇の目線に晒され、 身体的に夫から愛されず、世継ぎを急かされ、 どうにもならない孤独の中で、遊びと贅沢にふける。。。 国民の声など知る事もなく、知ろうともせず、あるのは自分の孤独と悩みだけ。 どんなに贅沢をしてもしても満たされなかった王妃の心は 私の心にも、しっかり染みてきた。 美しい王宮と目まぐるしいポップな音楽、騒がしい、忙しい、 そんな中にもポッカリと見える美しい青い空。 彼女の望みは、多分ただ一つ。 愛されたかっただけなのに。 もっとも、私がこの映画にこんなに入り込めたのは、 元々、この時代とブルボン王朝に関心が深くて、いっぱい本を読んでいたから。。。 かも知れない。そして、その切っ掛けを作ったのは、他ならぬ「ベルサイユのばら」であり マリー・アントワネットだったから。 興味がない人が見たら、ただ遊んで着飾って食べて。。。 で、お腹一杯になっちゃう映画かも知れない、と思う。 子供の葬儀の場面なんて、いきなり葬儀で誰の葬儀なのかも解らないだろう。 これは、多分、第一王子・ルイ・ジョゼフの葬儀だと思うのだけど、 (第一王子は7才で病死している)アントワネット目線で描いている割には この場面、全く悲しみが伝わってこない。 それは、もしかしたら、ルイ・ジョセフは世継ぎだからアントワネットとは 引き離されて育てられており、アントワネット自身にとっても 何だか急に死んでしまった、と言う程度の出来事だったのかなぁ。。。 と想像してみた。 いずれにせよ、そういう説明不足なシーンは多かったと思う。 「ベルばら」を読み込んだ人たちが、補足的に視覚として楽しめる映画。 「マリー・アントワネット」は、そんな映画だったかも知れない。 ちなみに、アントワネットは子供を4人出産している。 その内、第2王女は1才で亡くなり、第1王子は7才で亡くなった。 しかし、ヴェルサイユ宮殿で王子、王女として亡くなったこの2人は 子供達の中では幸せな2人だったと言える。 第1王女、マリー・テレーズは、国王と王妃が断頭台の露と消えた後も 長く幽閉され、いずれ捕虜と交換でオーストリアに引き取られて 従弟のアングレーム公と結婚している。 父や母を殺した革命を憎み、その後も波瀾に満ちた人生を送り、 頑なな心のまま72才で亡くなった。 第2王子、ルイ・シャルルは、王政復古派に奪われないために幽閉され続け、 虫が湧き、汚物にまみれた劣悪な幽閉環境の中で、わずか10才で病死している。 楽天で見つけた、私が読んだフランス革命関連本 ・ハプスブルクの子供たち ・王妃マリー・アントワネット(上巻) ・王妃マリー・アントワネット(下巻) ・歴史を騒がせた“悪女”たち ・ヴェルサイユ宮廷の女性たち ・マリー・アントワネット(上)新装版 ・マリー・アントワネット(下) ・ハプスブルク家の女たち ・世界史怖くて不思議なお話 ・皇女アナスタシアは生きていたか ・ブルボン家の落日 ベルサイユのばら(5冊セット) ・マリー・アントワネット 公式HP 【最近の映画記事のトラックバックリスト】 ・どろろ ・それでもボクはやってない ・愛の流刑地 ・敬愛なるベートーヴェン ・大奥 ・硫黄島からの手紙 ・犬神家の一族 ・DEATH NOTE デスノート the Last name ・レディ・イン・ザ・ウォーター ・手紙 ・マリー・アントワネット@映画生活 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年02月08日 22時39分24秒
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