見取り八段・実０段

戸籍の上ではお前は俺の妹だ。



何で黙ってた？

何で今さら？

もっと早く言って欲しかったよ。
じゃなきゃ、黙ってて欲しかった。



矢崎の妻・秀子は、夫が有明夫妻殺人の犯人だと思っている。

矢崎は、塔子と付き合っていたことも、子供が出来た事も
隠していたが、秀子は全て知っていて、ずっと黙っていた。


塔子はあの事件の前日、夫から金を借りていた。
夫は２人の関係の事で塔子から脅されていたのだ。


秀子はそう言う。


静奈には夫の子供として興味があるらしい。


功一と泰輔は、静奈に本当の事を言わなくては、と決めた。


しかし、２人がその事で言い争っている時に、
話を静奈に聞かれてしまった。


真実は最悪の形で妹に告げられた。



以来・・・


静奈は、功一の所に寄りつかない。
泰輔と功一もギクシャク。



そんな中で、静奈は戸神行成から呼び出されて
試食のハヤシライスを食べる。



良かったら、この前言っていたお友達のお店を
教えていただけませんか？
父が知りたがっていて・・・


場所は・・・横須賀です。

お店の名前は、覚えていません。


でも、そのお友達の名前は覚えています。


矢崎・・・静奈ちゃんです。



お兄さんが２人いて。

とても優しいお兄さんで、いつもくっついて遊んでた。

でも、ご両親が事故で亡くなって、お店は潰れてしまって・・・
静奈ちゃんも施設に入らなくてはいけなくなったの。


しかも、静奈ちゃんは連れ子だったんです。


何となく覚えていたんです。



母は、あの日、アリアケに静奈を連れて行き、
「お父さんよ」と言った。

お兄ちゃんが２人「こんにちは」と部屋から顔を出した。

「お兄ちゃん達に遊んでもらいなさい」

２人の男の子は、女の子の手を取った。

「かわいい・・・」

「ありがとう」



お兄ちゃんの手が温かかったのもなんとなく覚えてるって。

だから私にとって２人は、

本当のお兄ちゃんよりも、ずっとお兄ちゃんだって。


・・・静奈ちゃん、そう話してくれました。




いい話だ。


随分、親身になって聞いてくれるんですね。

私の話じゃないんですよ。
私の友達の話なのに。



いや、あなたの話ですよ。


例え、静奈ちゃんの話でも、あなたの心に残っている
大事なエピソードですから。

それは、もう私にとっては、あなたの大事な話なんです。


素敵なお話、ありがとうございました。



静奈の目から、涙が流れた。




泰輔は、矢崎秀子を詐欺にかけようとし、
反対に騙され、静奈に渡してくれ、と
お金を貰ってしまった。


静奈ちゃんって、どんな子？


普通ですよ。

普通でいられるのもスゴイじゃないですか。
だって親、殺されてるんですよ。

静奈のおかげで俺らも普通でいられた。
静奈を守るために、自分が大人でいるしかなかった。



泰輔は、秀子にお金を返す。


いつか、会いたいと言ったら、ご連絡します。



泰輔は久し振りに功一の元を訪れ、
屋上へ上る。


屋上には、すでに、功一と静奈がいて、
空を見ながら寝っ転がっていた。


あの日のように。



あの日のように、３人は空を見ながら
川の字で寝っ転がる。



もう見れないのかな流れ星。


見れるよ。

いつか、見れるよ



　　　　　



博打場になっていた喫茶店では、決して
ガラの良い客ではなかったらしい父。


父は、その喫茶店で、ある日出前を取った。

「洋食　とがみ」のハヤシライス。


そして、店主に向かって「まずい」と罵倒した。


話は繋がった。



矢崎は、やはり全くの無関係。
夫が犯人だと言うのは妻の妄想だった。


子供が欲しかったのに出来なかった、と言う
矢崎の妻。


変だけど。。。実は良い人でした。


静奈の話を聞く行成の言葉にも感動。

こんな良い人だったら、静奈は惹かれてしまっても仕方ない。


初めて兄弟に出会った幼い記憶。

温かい手が覚えている。


静奈にとっては、２人は本当の兄。


兄たちにとっては、

どうなんでしょうか。





　　　
ハウス 流星の絆 特製ビーフカレー 200g 1ボール(5袋入)





トラックバックは承認制です。即時反映はされません。ご了承下さい。