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駅の改札を過ぎ、雑踏を抜けた頃。
ロータリーの橋の上に、女性が一人倒れていた。 ハイヒールを履いたOL風の若い女性のようだ。 そばを幾人もの人が通り抜けていく。 私からは倒れている人はまだはるか向こう。 私の前を行く人が、誰か助けてあげればいいのにと思いながら歩みを速めた。 だからと言って、私が何を出来るかわからないけど・・・ 彼女のそばに着いた頃、あたりにはサラリーマン風の中年の男性と大学生風の男性が声をかけていた。 その周りにOLらしき若い女性が2人。 そこに私、第三者的には、もう一人中年の女性がいたよ・・ってところだろうか? ま、それはオイトイテ。 それぞれの見知らぬ男女が、倒れている女性を助けようと必死だった。 「どうしたんですか?」 「苦しいんですか?」 声をかけても、女性は何にも言わない。 肩で息をしているかのような、咳き込んでいるような・・・ 転んでどこかを打ったのだろうか? それとも息苦しくて倒れこんだのだろうか? 誰かに突き飛ばされてはいないか? 色々思いは巡るが・・・ 具合の程はよく判らない。 それでも、みんな、心配している。 それだけはよく判る。 携帯を取り出し、助けを呼ぼうとするみんな。 一人の女性が「110番ですよね」 「119番だよ」と全員。 「そうですよね、警察よんでもしょうがないですね」と女性。 結局、大学生らしい男性の携帯が119番に繋がる。 「そう、駅の上の渡り橋の上です・・・」 説明を始めた。 その、救急車が来るだろうと言う様子はみんなを安堵させた。 ここまでくると我々の周りには、野次馬がたかり始める。 当の本人は、その様子を見て少々ばつが悪い顔つきも見せた。 と言うことは、最悪のことはなさそうである。 みんなは、なんとなくほっとしていた。 しばらくして救急隊員も駆けつけ、これ以上いても仕方ない我々は三々五々それぞれの目的の方角に分かれていった。 見知らぬ人が見知らぬ人のために心配する、そんな暖かさを感じられてとっても嬉しい時間だった。 かと言って私は何にも出来なかったが。 もう少し、救急の基本を勉強していたら、こうすれば苦しくない姿勢が作れるとか・・何か手伝えることも出来たのだろうにと悔やんだりもした。 表へ出れば、世の中まるでケンカ腰の人々の波。 「なんでみんなそんなに怒って生活してるのよ」と言いたくなるほどの毎日。 今日、思わずホッとした気持ちになった。 まだまだ、日本人捨てたものじゃないよぉ。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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