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Chiropractic  健康はカイロプラクティックとともに 

Chiropractic 健康はカイロプラクティックとともに 

▲整形外科医の現状


予防医学のカイロプラクティック

WFC 写真

RMIT大学のサイトはこの字をクリックして下さい。

「 腰痛の原因がわからない 」

……整形外科医の驚くべき現状……

日本カイロプラクティック総連盟会長
日本整形外科学会認定整形外科専門医、DC.竹谷内 宏明
2003年(平成15年)7月17日(木曜日)付けCHIRO-JOURNALより


 現在医学の診断。治療技術の発展には目覚しいものがある。

 その一方、整形外科領域とされている頚部痛(頚椎捻挫、上肢の疼痛・しびれを含む)、腰痛(下肢の疼痛・しびれを含む)、膝関節痛に限っても、病体の捉えかた、治療方法は、筆者が大学病院の整形外科に在局した昭和四十年代と現在とはほとんど変わらず、旧態依然の状況と言っても過言ではない。

 医学会が構造異常と病気の関係に目を向けなければ、今後何十年経過しても、今の状況は変化しないのではないか。それは誰よりも日本国民の大きな不幸であることを、カイロプラクティック(以下、カイロ)関係者は声を大にして言わねばならないと思う。


(一) 整形外科教授の本音

 現職の整形外科の教授の腰痛に関する発言を二、三紹介する。

 ある公立医大の教授は「腰痛は整形外科医にとっては、もっと身近な病態である、しかも、その病態が全く解明されていないという点でも、その右に出るものはない」と述べている。

 また、ある私立大学の教授は「現在の日本では労働に起因する腰痛(筆者注=労働とそれ以外の腰痛の区別はそれほど重要ではない)の研究が非常に立ち遅れており、特に整形外科領域の研究の遅れが目に付き、整形外科医として劣等意識を持ちました」と書いている。

 さらに、ある教授は医学雑誌の対談で「たとえば慢性の腰痛は整形外科の重要な問題になっているんですけれども、整形外科医がまともに付き合っていないというか、まともに治せない病気なんですね。それは何が原因かよくわからないからだと思うんです」と述べている。

 腰痛に悩んで整形外科を訪れた患者さんが聞いたら、それこそ腰を抜かしてしまうような教授陣の本音はなかなか一般には伝わらないが、これらはいずれも専門誌に活字になった部分の抜粋である。

 三人の教授の発言から窺えることを整理すると、

1. 今の医学では慢性の腰痛は原因が全くわからない。

2. 対処の方法も確立していない。

3. 整形外科では本気で患者を診ていない(診られない)。


 医師が雑誌や教科書で慢性の腰痛に関してさまざまな原因と治療療法を述べていても、「何も判らない」のが実態である。

多くの患者が悩んでいるむち打ち損傷(頚椎捻挫)の場合も同じで、今の医学では完全には対処できない。理由はその原因が理解できないからである。

それこそ、放置しても治る例は別にして、筆者は頚椎のサブラクセーションに注目してカイロで治療する以外に方法はないと思っている。


(二) 整形外科医の矛盾

 ほとんどの患者が納得できない矛盾を、整形外科医が日常の診療の中で、平気で説明していることが少なくない。

 腰痛で受診し、レントゲンを撮り、「異常ありません。放置していても治るでしょう」。

 異常の指摘がなければ、腰痛の原因は説明できず、それでわざわざ忙しい時間を割いて、長時間待たされるのを覚悟で受診する意味はない。

 また、高齢者が腰痛を訴えて受信し、レントゲン撮影後必ず言われるのは、「年ですね。薬を飲んで様子を見てください」であろう。

 高齢者がレントゲンを撮れば、腰痛に老化の所見が見られるのは当たり前のことである。

 その所見が腰痛の原因であれば、高齢者は全て腰痛に悩まされることになるし、老化を元に戻せない以上、治らないことになってしまう。

 多くの患者はその矛盾に納得しないまま、腰痛に耐えなければならない。


 同様なことが、膝関節痛で受診する高齢者にも言える。

 レントゲンを見て「年ですね。注射しましょう」と言われる。

 膝関節痛で医師が膝関節以外に注目することがあるだろうか。

 蛇足ながら、膝を支配している神経が腰椎から出ていることを医師は学んでいる。

 腰を無視して膝関節しか見ないのは手抜きと言われても仕方がないであろう。

 日常によく見られる腰痛、膝関節痛に限定しても、このような矛盾がまかり通っている事実は不可思議とか言いようがない。


(三) 医学教育の欠陥

 多くの患者と若干の医師の発言から判断すると、最近の医師は診察の際、あまり患者に触れることがないようである。

 MRI,CT,レントゲン写真を重視し、それらと検査所見から診断を下し、処方する傾向が見られる。

 一例を挙げると、椎間板ヘルニアと診断され、筆者のクリニックを訪れた患者に、どんな検査をされたかを聞いたら、画像だけで、基本検査であるストレート・レッグ・レイジング・テスト(SLR)もされず、その上、手術までほのめかされたと言う。

 その様な症例は決して稀ではない。医師が多忙なのは理解するが、それだけが理由であるとは思えない。 

 手当ての原点である患者に手を触れる行為の必要性、重要性があまり最近では教育されていないのではないか。


(四) 整形外科の腰痛に対する新しい概念

 ごく最近であるが、一部の専門化が腰痛の捉え方は従来どおりに、生物学的な「脊椎の障害」であるという概念では限界があると主張し始めた。

 そして腰痛は様々な要因によって生じる生物、心理、社会的疼痛症候群として捉えるべきであるとする。

 換言すれば、腰痛を解明するには、解剖学的損傷部位を考慮すると同時に、神経や筋の生理学的障害として捉え、心理的・社会的因子の関与も評価の対象として考え始めている。

 この概念が主流になるのか否かは、もうしばらく様子を見なければならないであろう。


(五) おわりに

 紙面の都合で、整形外科とカイロについて多くを述べることには限界がある。

 けれども、これまでに触れた、整形外科医の本音も矛盾も教育の欠陥もカイロとその理論に目を向ければ、決してすべてではないが、多くのことが解決すると考えている。

 両者が対立する必要はないし、医学会がその理論を理解できなくとも、謙虚にその存在を受け入れ、適応疾患をカイロの専門家に任せればよいのである。

 それにより現在医学の盲点が補完され、多くの悩める人が救われると断言できる。

 四月末から五月の上旬にかけて、第七回WFC世界大会がオーランドで開催された。

 参加して感じたのは、WHOはカイロを含む代替医療に注目し始めているということである。

 これから、ますますWHOとWFCとの連携が強くなることが予測される。

 それは筋骨格系の症状に関して、諸外国の患者の満足度調査で、医師よりカイロの方が満足度が高い結果が出ていることと無関係ではない。

 現在医学の欠点や矛盾を指摘する以前に、カイロ業界側にも反省することは多い。

 WFCは今回の総会で「パリ政策宣言」の欠陥を補うために、三番目に、職業としてカイロ治療を行う者の身分の定義を追加した。

 これにより「教育」「身分」、そして「職業」としてのカイロの定義が一層明瞭になり、わが国でカイロを説明する基準が明確化した。

 この基準の下に日本のカイロ業界が集約すれば、法制化がいつになろうとも、カイロの名誉と国民の信頼は守られると確信している。

 カイロ関係者の良識に期待したい。


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