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テーマ:司法全般(518)
カテゴリ:司法関係覚書
昨日、二回試験の合格発表があったそうです。
私の周囲でいえば、司法試験時代の戦友、カラテカ君とIさんが合格、さらに今年うちの事務所に入る予定の新人さんも合格しました。三人とも合格おめでとう! また、合格した皆さん、おめでとうございます! それはさておき、今年の二回試験について。 今年は昨年までといろいろと二回試験で異なるところがあります。 一つめが、そもそも二回試験において口述試験がないこと。 二つめが、二回試験後に授業がないこと。 三つめが、二回試験の合格発表が9月3日に研修所で掲示される以外に、郵送で結果をおしえてくれること。 そして最後が、今年から追試が廃止されたこと。 これまで、二回試験で1科目(特別な事情がある場合には2科目でも)を落としただけならば、3ヶ月後に落とした科目のみ受験し、その追試で合格すれば修習を修了できることになっていました。ここでもだめなら翌年全科目を受けなければなりません。 私の期の時も留保者が40人程出たのですが、最終的に不合格は2人でとどまりました(なお57期の時もそうですが、不合格者の中には実務修習において、成績ではなく素行などで問題があった人がいたという噂がまことしやかに流れていました。真偽の程はわかりませんが)。 ところが今年の60期では一科目落としただけでも全員が不合格という過酷な条件になっていたわけです。 その結果、今年は歴代最大人数の71人が不合格となってしまいました。実質的にはこの中には例年なら留保追試組になっていたであろう人がいるわけですから、昨年よりは科目を落とした人数は減っていますね。 前年の結果が厳しいと翌年の修習生はがんばる、というのがこれまでの流れでしたから、昨年の予想外の結果に、60期生が必死に勉強したことは想像に難くありません。その結果、昨年よりは人数が減ったということかな。 それにしても、今年は修習期間がさらに短縮されて1年4ヶ月で勉強期間が足りなくされていたこともあわせて考えると、ちょっと60期生は厳しすぎる条件で二回試験に臨まざるを得なかったのではないかと言わざるを得ません。 新聞各紙は結果だけを見て、レベルの低下を声高に叫んでいますが(これは例年のことといえば例年のことだけど)、まずそもそも司法研修所のスタンスが司法試験合格人数が増えるにつれて厳しくなっていたことなどを考慮に入れてほしいと思います。この結果だけを見て、60期生を貶めるようなことはしてほしくないな、と思います。 私の期の時の話ですが、いわゆる留保者になった人には通常の起案などでは成績がよかった人が結構いたので驚いたものでした。ただ、比較的年齢の高い人が留保になる傾向があったような気がしました。 それで思いいたすのは二回試験の過酷さ。 7時間半の起案が5本。それもだいたい5時間くらいはぶっ通しで腕を動かし続けるという状況で、体力的に相当きついものでした。頭より先に体が参ってしまう。しかも試験期間は9月の半ばで、例年気温の変化が著しい時期でもありました。 これが結果に影響したのではないかと私は思っています。 今年なんかはさらに過酷で、冷房があるとはいえ8月のお盆の時期という、もっとも暑い時期に試験があったわけですから(しかも5日連続)、肉体的な疲労は相当なものだったのではないでしょうか。 そんな試験をくぐり抜けた皆さん、本当にお疲れ様でした! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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