カテゴリ:本、音楽
悲しい場面に直面した時、誰かが先に泣いてしまうと
釣られて泣いてしまう人と、なぜか涙が引っ込んでしまう 人がいると思う。私は昔、後者だった。 保育園からの帰り道でバイクに乗った親戚のおじさんが 「おばあちゃん、死んだで」と言って私を追い越した。 意味がよく分からず帰宅すると家はいつもと違って 人がたくさん居て自分の居場所がなかったのを覚えてる。 祖母は51歳だった。今思えば若すぎる。 でも私の記憶の中ではいつも床に臥してるおばあさんだった。 覚えているのはご飯代わりにリンゴのすりおろしたものと 卵を混ぜたものを食べていて、とても美味しそうに思えたこと。 もうひとつは、具合のいい日に縁側に座っていた祖母に 私が庭でおしっこをして見せて、そのおしっこが描く模様が 怪獣のように見えたので二人で笑ったこと。 嫁いでいた父の姉が駆けつけて、 祖母にすがって泣いていた。 私は母方の祖母の膝に座ってそれを見ていた。 昔過ぎて分からないが、多分泣かなかったと思う。 私を膝に抱いていた母方の祖母も 小学5年の時に亡くなった。 足腰が強く働き者でとても元気な人だった。 大好きな人だった。 訃報を聞いた時は信じられなかったけど、 私は落ち着いていた。死の意味はもう理解してる年だった。 もう冷たくなった祖母と対面した時も冷静だった。 あとから離れて住んでるいとこ達が泣きながら 到着して「あぁ、こういう時は泣くんだ」と思った。 重松清さんの「その日のまえに」 この本を読んで昔のことを思い出しました。 あの時泣けなかったのに、いまこれを書きながら 涙があふれて来るのを止められません。 昔、流せなかった涙をいま流してるようです。 二人のおばあちゃん、 昔は感情を表に出すのが下手な私だったけど、 今は少しだけ上手になったみたいだよ。 追記:いつも来られてる皆さん、どうぞ流して読んで下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月25日 19時57分03秒
[本、音楽] カテゴリの最新記事
|
|