皆さんは日本で２番目に短い国道『国道189号線』を　地図でたやすく見つける事が出来るでしょうか？

　国道189号線は　山口県岩国市車町(R188)交差点(通称＝フォーコーナー)から　米軍岩国基地正門を結ぶ　全長僅か450mの国道です。
R189を示す“青ベタロータリー型に白抜きで189”と書かれた標識は一つだけ。昭和40年代までは日本一短い国道でした。
ルート内に踏切があるだけのこの道は　戦後の米国と日本の経済の力関係を見てきました。

　米軍基地を結ぶ道だけに　“アメリカのある所＝消費文化栄ゆ”で、1950-1953(朝鮮戦争)頃は、ドルの価値も高かったことから　飲食店、刺繍屋、クリーニング屋、印僑(インド商)の洋服屋などが集まり、当時この通りの地価は東京赤坂と等しかったそうです。
　昭和50年までは　米兵を顧客とした横文字看板の店も大変多く、日本人入店お断りの飲み屋もありましたし、裏のほうではベトナム戦争で疲弊した兵士が　密かに麻薬や小銃の取引をしていたという危ない所でもありました。

　ベトナム戦争終結→米軍削減、円高ドル安などで　基地の外で金を落とす兵隊は減り　現在この通りは嘗ての活気はありませんが
　現在でも何軒かの　印僑の洋服屋、ドル表示の中古車屋、ワッペン屋、ミリタリーショップ、質屋(pawnshop)、米国人好みのBLT(ベーコンレタストマト)サンドイッチ、ステーキ、フライドチキンの美味い飲食店などはあり　「日本の中のアメリカ」が所々感じられます。

　印僑(インド商)の洋服屋では、横須賀同様にスカジャン（FarEastTour　極東アジアの地図や龍や虎などが刺繍されたジャンパー）等が売られていますし、スーツも安く仕立てるようです。(印僑系だけに何か買うまで出られない雰囲気はありますが…(笑))

　質屋などをのぞくと　米国人も東洋情緒・日本趣味にエキゾチズムを感じているのが分かりますし、中古車屋を見ても基地の米国人は３年間の生活なので3000ドル以下の安グルマを買う人が殆どなのが分かり興味深いと思います。（米国で2400ccのブルーバードが日本では1800ccだから「トルクガ無イネエ　日本仕様ブルーバードハ」などと乗り回してるんでしょうねぇ(笑)）
但し岩国に来たらYナンバー車と事故だけは起こさないように！ぶつけられてもフェンスの向うに逃げられますよ。

　国道は僅か450mの短さですが、書きたいネタが色々あり私のブログでは割に長い日記となりました(^^)
岩国に錦帯橋の桜見物などで遊びに来られたら　話のついでに立ち寄られてみては.....。
　岩国駅前でタクシー拾って「フォーコーナー」と言うと“R189入口”まで連れて行ってくれます。

　余談ですが　佐世保、横須賀と違って大手ハンバーガー店等はこの付近にはありません（※基地内に日本から撤退したバーガーキングあり）。右下写真はレストランサコのBLTサンド

ドキュメント在日米軍　海軍・海兵隊篇（VHS）

▼岩国での宿泊　ネットでお得に予約できます（何れも岩国駅より徒歩３分）
岩国ビジネスホテル＆スパ
岩国プラザホテル
シティホテル安藤