萩を救った夏ミカン

May 10, 2006

カテゴリ：山口

山口県萩を象徴する風景として　思い浮かぶのは
やはり“土塀と夏ミカン”だな　という人は多いのではないでしょうか。

萩に行くと　至る所で夏ミカンを目にすることができますが
萩で栽培が始まった由来は　
1876年(明治９年)　元萩藩主の小幡高政(1817～1906)が　
藩政が終了して生活に困窮した士族たちを救済するために
「耐久社」という団体を設立し　夏ミカン栽培を奨励したことに
端を発するそうです。

当時の萩は　色々な所に武家屋敷跡の空地があり　そこを利用して
苗を植え付けました。当初は好奇の眼差しで見ていた人も多かったのですが
栽培が盛んになるにつれ　少しの空地に栽培する人も増えていき
明治半ばには収穫量も飛躍的に伸び　他県へ出荷できるほどの一大生産地に
なりました。

なお、夏ミカンの白い花は　山口県の花となっていますし
山口県独特の黄色いガードレールは　夏ミカンをイメージした色です。
そして夏ミカンの甘い香りと城下町萩の風景は　
環境省が制定した「かおり風景100選」にも選ばれました。

　萩の観光の詳細は↓こちら
　　　ぶらり探訪＜開府四百年の萩（市街中心部篇）　
　　　　
萩城跡近くの指月橋に行くと“萩夏みかん工房”があり
夏ミカンを使った工芸品も販売されています。

橋本川近くの平安古(ひやこ)町の鍵曲近くには　
元内閣総理大臣田中義一の別邸がありますが　
先述の、夏ミカンの栽培を奨励した小幡高政の元屋敷だったもので
ボランティアガイドもいますので　夏ミカンの歴史を訊くのも一興です。

夏ミカンの白い花が咲く　今時分の時期
今年で14回目となる“萩夏ミカンまつり”が５月13、14の２日間　開催されます。