IBC岩手放送「令和3年度無線システム普及支援事業費等補助金 (民放ラジオ難聴解消支援事業)(第3次)」の交付決定
令和4年(2022年)2月18日、総務省東北総合通信局より“株式会社アイビーシー岩手放送に対し「令和3年度無線システム普及支援事業費等補助金 (民放ラジオ難聴解消支援事業)(第3次)」の交付決定”の発表がありました。↓総務省のページに飛びます「令和3年度無線システム普及支援事業費等補助金(民放ラジオ難聴解消支援事業)(第3次)」の交付決定今回の発表では、FM方式によるAMラジオの補完中継局を整備~“釜石市の一部”/“宮古市及び山田町の一部”となっているので、おそらく釜石FM補完中継局と宮古FM補完中継局のことだと思われます。いよいよ沿岸部のFM補完中継局整備が本格化してきたようです。まずは“宮古市及び山田町の一部”ですが、こちらは宮古中継局がある宮古市の重茂(おもえ)半島の月山に設置されるものと思われます。事業費は27,098千円(補助金額18,065千円)となっているので、結構大規模に設置工事が行われるのではないでしょうか。そして“釜石市の一部”ですが、こちらは釜石中継局がある箱根峠に設置されるのではないかと予想されます(※)。事業費も38,098千円(補助金額25,398千円)となっており、既に設置されている遠野FM補完中継局や室根FM補完中継局と比べてもかなり大きな金額になっています。<事業費参考~金額順>【総務省東北総合通信局発表資料より抜粋】①盛岡FM補完中継局 事業費151,648千円(補助金額75,824千円)②釜石FM補完中継局(仮称) 事業費38,098千円(補助金額25,398千円)③宮古FM補完中継局(仮称) 事業費27,098千円(補助金額18,065千円)④室根FM補完中継局 事業費19,956千円(補助金額13,304千円)⑤遠野FM補完中継局 事業費18,398千円(補助金額12,265千円)⑥一関FM補完中継局 事業費18,100千円(補助金額12,066千円)⑦二戸FM補完中継局 事業費13,500千円(補助金額9,000千円)釜石・宮古ともに盛岡FM補完中継局に次ぐ事業規模になっています。釜石から宮古・岩泉方面への伝送ルートも一緒に構築するのでしょうか?もしこのルートが完成すれば、現在モノラル放送(F3E)で行われている大槌FM補完中継局・山田FM補完中継局・岩泉小本FM補完中継局の各局もステレオ放送が可能になるかもしれませんね。開局がいつになるのかはわかりませんが、過去の例から年末ごろまでには電波が出るものと思われます。沿岸部でもIBCラジオがFMで聴ける地域がまた増えますね。(※)「釜石中継局がある箱根峠にされるのではないかと予想されます」と書いたのは、釜石鈴子(かまいしすずこ)中継局に併設という可能性も否定出来ないからです。実際にIBCラジオ遠野FM補完中継局(87.8MHz/20W)は、既存FM中継局のある遠野市松崎町の高楢山(標高576m)ではなく、地上デジタル放送の中継局がある遠野市遠野町の物見山(標高916m)に設置されました。釜石中継局がある箱根峠は釜石市と気仙郡住田町の境にあり、出力は100~200Wと大きめで標高も990mほどあり、釜石だけでなく内陸南部(花巻市~一関市)の広範囲で受信出来るほどロケーションは抜群に良いのですが、釜石市中心部からは15~16km離れているため場所によっては受信状態が芳しくありません。中心部ではJR釜石駅南方にある釜石鈴子中継局(81.4MHz/10W/NHK-FMのみ設置/標高約378mの高地)のほうが距離的にも近いので受信状態が良いのです。地上デジタル放送も箱根峠ではなく釜石鈴子中継局に設置されました。箱根峠になるのか釜石鈴子になるのかは、実際に予備免許が交付され電波が出てみないとわかりません。静かに動向を見守りたいと思います。