サッカーと野鳥と音楽　Ｋｉｃｋ！Ｆｌｙ！Ｓｉｎｇ！

　

　いつものjohn&debbyさんと、我がチームが誇る
アイドル・プレイヤー背番号１７（以下１７番）を連れ出し
茨城県鹿嶋市のカシマ・スタジアムへバス・ツアー。
現在首位独走中の鹿島アントラーズ対東京ヴェルディ１９６９を観戦。

　先日の「日吉の中心でウキッと叫ぶ」にも登場した
１７番は、現在ヴェルディのキャプテンを努める
ＭＦ山田卓也と高校時代、クラスこそ違うが
同じ学年だったのだ。体育の授業で柔道をやったとき
豪快に投げられたという羨ましい過去を持つ。

「アイツは有名人だったからね。
でも俺のことは覚えてないだろうな」

　９時半、新宿に集合。１５時キックオフなのに
いくらなんでも早すぎないか・・・・？
「なんか遠足みたいで楽しいなぁ」
１７番が呟く。３人という中途半端な人数（普通は２人）なので
旅行会社は一番後ろの席を用意してくれた。
小学生の頃、座りたくても人気が高いので
なかなか座れるチャンスは無かった。
しかし、ジャンケンに負けた私は中央に。
あの・・・ここドリンクホルダーとかないし・・・。
もし急ブレーキかけたら前まで転がっちゃうんじゃ・・・。

　正午、現地に着いた。
バスを降りて少し歩くと銅像が見える。
おい！あれはもしかして・・・・・
今、日本代表の監督やってる人かい？

ででーん。


　私は１７番に指令を出した。
「よし、１７番！ひとつ笑いを取ってくれ！」
一瞬悩んだ様子だったが
「じゃぁ１回だけな。俺の生き様見とけ！」
いきなり背後に回りこんだ。
「覚悟ーーーっ！ガッ！」



出た！奥義・直腸直撃・七年殺し！
あぁ、スゴイ！
神様に対して何てことを！
でも、かなりウケてるぞ！

※鹿島ファンならびにジーコファンの方々
　大変失礼いたしました。先にお詫び申し上げます。
　今回ばかりは大目に見てください。


　天気予報では晴れるといっていたので
私と１７番はＴシャツの上に長袖、john&debbyさんは
ユニフォーム１枚の格好。しかし、空には厚い雲。
気温も上がらず３人で「寒い」を連発。
いきなりアウェーの洗礼を受ける。

　まずは腹ごしらえ。スタジアムの周辺に並ぶ
屋台風の店で温かいうどんやモツ煮を食べる。
店のオバちゃんは関西出身の明朗な方。
ヴェルディ・サポーターの私達にもサービスが良くて
色々オマケしてくれる。鹿島の人達は温かいね！

　john&debbyさんは寒さに耐えられず、コンビニで苦肉の策
レインコートを購入。これなら風を通さないし
かなりマシ。でもアンタ・・・モビルスーツみたいだよ。



　スタジアムに入ると、冷たい風が注ぎ込んで
長袖でも辛い。３人で固まって寒さをしのぐ様子は
捨てられた子犬のようだ。酒に弱い私も堪らず
温かい日本酒を飲んだ。でも半分しか飲めない。



　１５時、ようやくキックオフ。
序盤、ヴェルディがペースを掴みかけたが
８分、左から切れ込んだＭＦ本山のクロスを
増田に頭で押し込まれ先制点を許す。
たった１度のチャンスを確実に決めるのが
首位を独走するチームの強さだろう。
　本山のドリブル＆フェイントには敵ながら溜息。
日本代表の大きな武器になりそうだが・・・・。
その後はヴェルディのパス・ワークが効果的に
繋がらず、フラストレーションが溜まる。









　後半突入。ＦＷ平本を投入したヴェルディが
次第に息を吹き返す。しかし、アントラーズの
寄せの早さに長い時間苦しむ。
ＤＦ戸田に代えＤＦ米山、ＭＦ平野に代えＦＷ森本を
投入し、死に物狂いで同点を狙う。
すると８３分、山田からのボールをＦＷワシントンが強烈なシュート。
ＧＫ曽ヶ端が防ぐも勢いが収まらずゴール！やっと追いついた。

　ここからは怒涛の攻め。もう時間が無い。
平本のヘディング・シュート！あぁ、ポスト直撃！
こぼれ球を森本と山田が狙う！おわー、枠を外れる！
立ち上がって叫び、外れると倒れる。
ゴール裏は吉本新喜劇のようだった。
　ロスタイム、逆にアントラーズの逆襲。ＦＷ鈴木が狙いすまして
出したボールは前線に残っていたＭＦ小笠原へ。
完全に抜け出しＧＫ高木と１対１！大ピンチ！
高木、頼む・・・・・だぁーーーやっちゃった・・・・。
小笠原を倒しＰＫ献上。しかも一発退場。
この場面では仕方ないが、あまりにも痛い。
あれだけ攻めていたのに、１点を奪えないのが悪い。

　選手交代を３人済ませていたヴェルディは
これ以上の交代は不可能。ここで一番背の高いワシントンが
自らＧＫを買って出た。ここで止めたら前代未聞の出来事だ。



　キッカー小笠原がシュート！ボールはポスト直撃！
しかし、あっさりと押し込まれ万事休す。
即席ＧＫワシントン、完璧にコースを読んでいたのに・・・・。
天国から地獄へ突き落とされた。

　負けたことを信じたくない。内容では勝っていた。
でもサッカーというスポーツに判定勝ちは無い。
１点でも多く取ったチームの勝ちだ。
　こんなとき、友人達がいて良かった。
「納得いかねぇ！悔しくて眠れねぇ！」
と、口にすれば少しでも気が紛れる。
ひとりだったら、立ち上がれなかったかもしれない。



　試合終了後、ガックリうなだれるヴェルディ・イレブン。
懸命に走り、敗れ、疲労も倍増だろう。
中でもＤＦ上村がサポーターに頭を下げ
申し訳なさそうに引き上げていくのが印象的だった。
それをなだめるＤＦ相馬。ここでも仲間の重要性を
強く感じる。



　私達も悔しい。でも戦った選手達の悔しさには
絶対かなわない。こんなに熱くさせてくれたときは
負けても大きな拍手を送る。
そして、次こそ勝てよ、頭を上げろ！と。

　帰りの車内はお葬式のような静けさだった。
次は７月の磐田ツアーに参加予定。
まぁ、これに懲りず、またみんなで行こうや！