小倉トースト、どうでしょう?
北海道発、伝説のローカル番組「水曜どうでしょう」は現在、40を超える都道府県で放送されている。ローカル番組が、ここまで全国的にヒットするのはテレビ史上に残る快挙である。 私の住む神奈川県でも2002年からtvk(旧テレビ神奈川)で再編集された「どうでしょうリターンズ」が放送開始。私が、まんまとハマったのは2003年3月頃の話だ。 本拠地である北海道で、6年続いた番組が終了しDVDが全国で発売されると、オリコン・チャート上位に顔を出す爆発的セールスに。 出演者は、現在映画監督の「ミスター」こと鈴井貴之氏と、日本一のダマされ芸人、大泉洋氏。大泉氏は北海道から全国区へ飛び出し現在は俳優として「小早川信木の恋」に出演中。バラエティ番組への出演も増えた。 それを支えるのは2人のディレクター陣。カメラ担当の嬉野雅道氏と、進行役の藤村忠寿氏である。 特に「ヒゲ」こと藤村氏の存在感は抜群でバカ笑い、タレントを凌ぐトーク、大泉氏とのケンカなどその立場をわきまえない姿に不思議と視聴者は違和感を忘れてしまう。 その藤村氏の実家は愛知県名古屋市にある。両親が経営する喫茶店は番組内でも登場しファンが頻繁に訪れる聖地となっている。 2004年秋、私はタカの渡りを見に愛知県へ訪れた際せっかくここまで来たのだから、と思い切って訪れた。道案内は学生時代の友人であり、現在は地元の岡崎市に住むF-1狂のKくんに頼んだ。 少々道に迷ったが、なんとか店を発見。あと1時間ほどで閉店するところだった。店内にはファンと思われる集団。関連グッズや番組のDVDで溢れていた。ここで最初の感激を味わう。 昼食抜きだったので、まずはランチを注文。名古屋名物エビフライ・・・・いや、エビフリャーがメイン。 お店の人に「どうでしょうが好きで横浜から来ました」と告げると、藤村氏のお母さんが厨房から出てきてくださった。色々と思い出話までしてくれてファンなら誰しもが食べて帰るという小倉トーストとフレッシュバナナジュースを急遽作ってくださった。番組内での企画である「対決列島 ~The battle of sweets~」で登場した母親の味。 名古屋なら定番メニューらしいが私にとっては未知の世界。こんがり厚焼きトーストに小倉あんがたっぷり乗っている。 薄く塗ったバターの塩気が甘味を存分に引き出しランチ後の胃袋にも、すんなり入ってしまった。何より、閉店間際だというのに惜しまずに出してくださったことが嬉しかった。「かあちゃん、美味かったよ」 その日、私は宿の予約をしておらず仕方ないからカプセルホテルでも探そうかな~とK君に話していたら、お母さんが「もし駐車出来なかったら、ウチの敷地に置きなさい」なんて涙が出そうなことまでいってくださる。※結局、駐車場完備のカプセルホテルを発見し事なきを得た。 元々名古屋大好きで中日ドラゴンズのファンである私だが、この旅において改めて愛情が増した。昨年は仕事の都合で行けなかったが今年はなんとしても行きたい。 そして、もう一度小倉トーストを・・・・。夜は手羽先を・・・・ひつまぶしを・・・・味噌カツを・・・・もちろん、鳥見も。