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本と映画と食事とあひる

2016.05.07
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カテゴリ:映画、ドラマ





これは1993年にアメリカで実際に起きた殺人事件を元にした作品。

被害者の名前からティーナ・ブランドン事件とも言われています。

劇中、性同一性障害者を演じたヒラリー・スワンクの名演が有名です。

 アメリカ中部の田舎町に暮らすティーナ・ブランドンは

女性の体に男性の心を持つ人物。

ブランドン・ティーナと名乗り

本名を逆さまにして、男性として暮らす事を望んでいます。

精神分析医も性転換を薦めたと言うから、

本当に性同一性障害だったのでしょうが、

手術には高額な治療費がかかりますし、ホルモン注射もしかり、、です。

仕方なく、胸にさらしを巻き、髪型・服装・話し方などで

出来るだけ自分の内面に近いように生きていました。

 誰も知らない場所で、男性として暮らしたいと思い、

隣町へ行きます。

(これ、さすがにアメリカですね。

日本なら隣町へ行くくらいでは身元を隠すなんて出来ません。)

ある酒場でであったラナという女性に恋をし、

相手からも好意を持たれるのですが、

昔、手を染めた犯罪が元で警察に捕まります。

(映画ではスピード違反、現実では小切手詐欺です)

肉体は女性ですし、出生届も本名も「女性」。

警察では女性と言うことで女性用の鑑別所に収監されます。

そこに保釈を求めてやってきたラナ。

事実を知ってしまいます。

彼女は、同情・愛情でブランドンを受け入れるのですが、

偏見の激しいアメリカの田舎町のこと、周囲が黙っていません。

ラナの母親の愛人ジョン、その友人トム(どちらも元犯罪者)は

ブランドンを罵り、暴行を加え、警察に言わないように脅すのですが、

怪我をして、屈辱と悲しみでズタズタになったブランドンにラナは病院と警察へ行くように説得します。

当然です。

病院で検査をされ、そこで暴行の事実が分かれば、

病院側も警察に行くように説得しますしね。

しかしながら、これも田舎町のこと。

「警察」といってもこの郡は「保安官」なんですね。

彼も性同一性障害者を全く理解せず、ひどい質問を浴びせ、

なんと、犯人たちに警察にブランドンが来たことを知らせます。

犯人たちは逆ギレし、ブランドンと

ブランドンに家を貸していた人たちを射殺してしまうのでした。。。。


 細部については、ラナ(実際のラナ)が「事実と違う!」と訴えたり、

アカデミー賞の授賞式でのヒラリーのスピーチにブランドンの母親がかみついたり、

いろいろとあったようですが、

深く考えさせられる映画でした。

 どの俳優もすごく上手いし、

この役を演じるために髪を切り、染め、ボイストレーニングをし、

実際に「男性」として生活したヒラリー・スワンクの女優魂もすごいです。

 ただ、、、、本当に辛い映画で、

私はブランドンが暴行を受けるシーンでは

あまりのことに涙が出てとまりませんでした。

 性同一性障害について詳しい人に言わせると

この映画はその障害と同性愛の区別が曖昧であるなど、

いろいろと難があるそうですが、

世界に一石を投じたという意味でも貴重な作品だと思います。

 それにしても、、、男性というのは本当に「弱い」ですね。

自分たちが男性だと信じていた人物が肉体的に女性だったという事実、

これが受け入れられずに性的暴行から殺人にまで至ってしまう。

 これ、もし男女が逆だったらこんな事件は起きません。

女性なら、まず相手に話を聞くことから始めますよね。

(実際に、二人の交際に猛反対していたラナの母親も

ブランドンが暴行を受けた際には同情し、警察に行くように薦めたそうです。)

 犯人たちは事件直後も現在も全く反省していないようで、

トムは我が身かわいさでは司法取引をするわ、ジョンは無罪を訴えるわ、潔ささえ持ち合わせていないのです。

ブランドンの存在が彼らのアイデンティティーや価値観を揺さぶったのでしょうが、

それでこういった蛮行に及ぶなんてどれだけメンタルが弱いんでしょうね。

ひとりの人間が暴行され、殺害されただけでなく、

全く無関係の人間が3人殺害されたのにもかかわらず、

未だに死刑が執行されていない、アメリカの暗部を覗いたような気にさせられる映画です。

(適切な対処をしなかった保安官に対しては処罰があったようですが)

タイトルの『ボーイズ・ドント・クライ』は

「男なら泣くな」という意味の慣用句らしいです。

日本でもよくいいますよね。「男の子なんだから泣いちゃだめだ」とか。

監督は「男の子でも泣いていい」という反語的な意味でつけたのだそうです。

泣いてもいい、そんな些細なことはどうでもいいから、

本当の意味で強くなっていただきたいです。





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最終更新日  2021.01.27 10:33:12
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Re:男の弱さが痛いほどわかる映画 『ボーイズ・ドント・クライ』(05/07)   志津ママ さん
 あらすじ読んで見覚えあるような気がして、調べたら・・・
うんうん・・・これ、観たかも?

確かに・・・男性の方がメンタル面は弱い人が多い気がしますね・・・ウチにも若干一名(笑)

昔、ニューハーフの子が言ってました。
「男性の体を持つ女性の私たちは 世の中で一番たくましい人間なのよ~」
ってなことを・・・

 そう言えば、とある本でも読みました。
どちらかというと女性的な心理や思考回路を持つ男性には成功者も多いとか?


(2016.05.07 13:52:52)

Re[1]:男の弱さが痛いほどわかる映画 『ボーイズ・ドント・クライ』(05/07)   あひる5413 さん
志津ママさん

 アカデミー賞ほか、数々の受賞歴のある作品ですから志津ママさんはとっくにご覧になっていらっしゃる可能性が高いと思います。

今になって観ている方が珍しいかも。(^^;)


 なるほど、ニューハーフは確かに最強かもしれませんね。

わが家にもメンタルが弱い人がいます。(>_<)

風邪を引いただけで大騒ぎですし、子供か!と思います。 (2016.05.07 18:00:16)

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