本と映画と食事とあひる

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　私は１０才の時、映画館で

『吼えろ　鉄拳』を観た時から

真田広之のファンです。

本当に格好良かったですし、アクションが凄かった。

今観ると、この頃の真田広之は演技も発声も初々しいですが、

とにかく迫力とあの外見と実力。

興奮しましたね。

　千葉真一が率いたジャパンアクションクラブは

のちに様々な人材を輩出しましたが、

その中でもぬきんでた存在。

　後に演技力にも磨きをかけ、様々な作品に出演して

様々な賞を獲って、

映画・ドラマ・舞台、どこでも成功を収めましたが、

最近、彼の出演するアメリカドラマや映画は観ていません。

　なんか、辛くて。

アメリカなどで制作される日本を舞台にした作品、

文化に対する誤解や曲解、偏見が著しいです。

それを日本人はきちんと指摘し、発言をして

訂正していかなければならない、

真田広之は確か、そうインタビューで答えていました。

『ラストサムライ』の時にも、相当頑張ったというエピソードは有名ですよね。

毎日、受験生のように英語を勉強し

（英語と言っても時代や国や地域で様々な発音・単語があるので、

作品によって求められるものが違うそうです）

拠点を移し、努力を重ねていますが、

いざ、海外の映画やドラマを観ると、

真田広之が血を吐くような努力をしているのに、これかよ！！！と

叫びたくなるものが多いのが現状です。

　冒頭に挙げた『４７　ＲＯＮＩＮ』。

これはもう、企画の段階で、、、、、でした。

忠臣蔵というのは、日本人にしか理解できないのでは？？

それをハリウッドで、というのは無理。暴挙。

と思っていたら、やっぱり、、、、でした。

もう、「忠臣蔵」とか「日本」とかいう単語を出して欲しくないレベル。

ＹＯＵＴＵＢＥで予告編を観ただけでも失笑、苦笑です。

　この制作現場で、

真田広之がどれほど頑張って発言したんだろう、

それが受け入れられずにどれだけ失望しただろうと考えると

全く楽しめないんですね。

それで足が遠のいています。

　同じ「なんちゃって日本」でもタランティーノの『キル・ビル』は

分かってやっています。

「これは日本ではなく、僕が観た映画やドラマの中にある「日本」だ」

何度も日本に来て、日本人の友人も多くて、

深作欣二の映画を何十回も観て、

石井監督（タランティーノが好きな監督は石井姓が多いです）たちの作品を観まくって。

だから、悲劇の悪役が死ぬシーンで歌謡曲が流れる、

銃刀法違反でもＯＫ、なんて遊びが出来る。

全体がパロディーだから。

でも、真田広之が出演する作品はそういう基盤が感じられないんです。

表面だけ「日本文化」をなぞったような感触。

　故　淀川長治さんも仰っていましたが、

真田広之はいい俳優なのに作品に恵まれない。

もっと正確に言うならば、舞台ではシェイクスピアなど

大作に出演できるのに

いい映像作品に当たらない。

すると、上がった花火の方しか見ない日本のマスゴミが

それを揶揄する、これの繰り返しです。

これがファンとしてはすごく辛いです。

　私が好きな俳優はこのタイプの人が多くて、

映画館やテレビから遠ざかる一因になっています。

　だから、やっぱり舞台のＤＶＤ化はもっと進むべきです。

演じる方も、作る方も

舞台は生き物だから、現場まで足を運んで観て欲しい、というのは

理解できるのですが、

世の中にはいろいろな人間がいます。

病気や障害で劇場に足を運べない人も多いのです。

制作側も考えて欲しいですね。