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June 23, 2010
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渋谷のBunkamuraシアターコクーンの佐倉義民傳。

義民傳.jpg

歌舞伎座閉場ショックから立ち直れず、ボーっとしていた私が
観られるのは、早めにチケットを用意してくれた友人のおかげ。

前回は2階のバルコニー席、舞台に向かって左だったけど
今度はウレシイことに向かって右の席。
違った角度で観ると、前回見えなかったものが見えてくるかな。



なりきり歌舞伎体操のワークでおなじみの橋吾さんが
今回は「捨吉」という名のお百姓さん。
苦しめられる農民の代表のような役。

あまりにも年貢が重すぎたため、
これでは生きていけないと
佐倉の農民が立ちあがろうとするシーンで

名主の宗吾様は命を無駄にしてはいけないと必死で止める。
その時、

『捨吉、お前、名は捨吉だが、命捨てちゃならん』

そういう時の宗吾様@勘三郎さんは
捨吉の顔をなでながら
慈しむように語りかけるので、
捨吉ならずとも、涙があふれると
平場の前の方の席で観た友人が言ってました。

お芝居の最後に、捨吉と夫婦の約束をするお半さん。

悲しいシーンが多い佐倉義民傳。

貧しい中にも互いを気遣う仲睦まじい二人の姿に救われます。
ほのぼの、あったかくなる。
いちばんの幸せは何?の答がわかる気がします。

お半さんは、立役でも女形でも実力を発揮する京蔵さん。

この人のことは、たいていの人がテレビでおなじみ。(^-^)
そう、「勘定奉行!」のソフトのCMの歌舞伎役者さんです。



ラップ!ラップ、
正直、話題性とか、斬新さ狙い?のような
想いがしなかったわけではない!
(ゴメンナサイ<(_ _)>)

ラップがあって
コクーン歌舞伎の佐倉義民傳が一つになった気がする。
ラップは、ぶつぶつ、呟いているみたいだけど、
いざ歌ったら音程とるのがタイヘンなシロモノ。

でも、ラップがコケタラ、義民傳はつまらなくなっちゃう。

舞台の前の方に出て、ラップをひっぱってく
チョンマゲ頭のラッパーは、ダレ?

ネットで検索したら「SRサイタマノラッパー」という映画に出て、
たくさん賞を取った人達らしい。

チョンマゲ似合うから
すっかり成駒屋さんや中村屋さんのお弟子さんかと…
猛練習で、いちばん上手になったので抜擢された?
かと勘違いしたのは最初だけ。

いや、特別、ノリがいいぞ?歌手?誰だ?と気になった。
舞台と客席を温度をあげて、一つにしていくラップ!

「SRサイタマノラッパー」観たい。
と書いておいて名前も紹介しないのは手抜きだね。

駒木根隆介(こまきね りゅうすけ)さんと水澤紳吾さん。

なんとTwitter上でいとうせいこうさんの熱烈オファーを受けて、
ラッパー兼俳優として出演が決まったんだって。
ツィッターの浸透の早さにはビックリ!

両側の舞台袖には、楽器を演奏する人が。
ライオンキングに出てくるような太鼓も並んでいるも珍しいね。

 

彌十郎さんが憎まれ役。
彌十さんのおおらかさが好きなのに、
今回は、義民を見捨てるように、
うまーく佐倉の領主、堀田の殿様を懐柔するご家老。

「イケウラ!」「イケウラ!」と、連呼され、
堀田の殿さまの懐刀(フトコロガタナ)として大活躍。

宗吾の訴えを聞き入れ、名君と呼ばれたい!と
その場の思いつきでの行動をたしなめられ、諭され、
殿様、前言撤回!となるまでの運びの見事さよ。

信じて帰った宗吾を裏切ることになることにもはや躊躇せず。
つい先ほど、絆にと与えた杯のことなど、なかったことのよう。

「領民が貧しいのなら一汁一菜で我慢する」と言ったくせに!
木綿の着物で登城することになるのは上様に対して失礼だからなんて
庶民からすればアホクサ!な理由で断念しちゃうんだもんね。

政治家の人が皆、初めから腹黒いわけではない。

初志貫徹することはお月さまのようで
目指す人は多くても、誰しもが手が届くものではないのね。

納める年貢が少なければ、
管理不行き届きで
お家にお咎めがないわけはないんだから。

「苦しんだからいいんだよ、無理しなくて」なんて言って
「ありがとうございます、ご家老様!」なんてあるわけない。
言われたいだろうな、イケウラも。

そう言えば、「天地人」の直江兼続。

領民想いのご家老ぶりをドラマで観て、ステキ!って思ったけど、
あれもドラマの演出なのかな。
どうなんでしょ。

突き詰めると、徳川幕府の安泰のため!イケウラのような家老が
過労もいとわず、憎まれ者にならないと成り立たなかった現実。
誰もが笑って暮らせる世の中は理想だけど、ダレかにしわ寄せが。



亀蔵さんのおかげで、「幻の長兵衛」がどんな役割が理解できた。
歌舞伎座の時は???だったので。
今回はシリアスな役だったので、法界坊の時のような、
あるいは「りびんぐでっど」のようなコミカルな場面はなし。

あわや、のところで宗吾から受けた恩を忘れず、見逃してくれる。
「引窓」もそうだけど、改心したやくざ者を警察側で雇うことあったのね。
助けてもらった恩義を感じてくれさえすれば、
忠誠心はあるし、カタギの衆より勇気はあるからお誂え向けの人材?
出番が少なくてさみしいけど、腰には良さそうな役でよかった~。

 

おぶんちゃんは七之助さん。歌舞伎にはなかった役。
七之助さんのお姫様は上品でたおやかでタメイキ!
だけれど、おぶんちゃんは、佐倉の貧しい民のひとりなので
衣装もメイクもそれなり。

でもね、声とセリフ回しが好き。
佐倉のおぶんちゃん、と言う人物がクッキリ生きていたと思います。

おぶんちゃんの背中をさすって、いたわってあげたいと思うもの。
なんか甘くておいしいものを食べさせてあげたいと思うもの。
あまり賢くなくてコワイモノ知らずだったのか、
賢くないふりをしながら、流されたほうが痛みが少ないというのが
おぶんちゃんなりの処世術なのか、哀れ おぶん。

  

おぶんの母と、堀田の殿様の正室。両極端の役の歌女之丞さん。

いつもオカミサンの役で、こんな立派な打掛の歌女之丞さんを観たのは
たぶん、初めてじゃないかな、私はね。良かったね~。

おぶんを捨て、村を出たけれど、結局は夜鷹として生きるしかなかった母。
絵に描いたような親ばか、世継ぎを溺愛している奥方と真逆。

偶然、出会ったおぶんに母と名乗らなかった。(名乗れなかった)
二度、捨てられたおぶんは不憫。
私は母親の立場で観てしまうから、捨てられるのも悲しいが
二度捨てなくてはならなかった母、哀し。



(2010年6月17日 コクーン歌舞伎 佐倉義民傳 Bunkamuraシアターコクーン)






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最終更新日  May 8, 2016 11:33:59 PM
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