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August 21, 2014
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カテゴリ:舞台【音楽あり】
紀伊國屋 サザンシアター
ここは好きな劇場です。ちょうどいいサイズ。
座席数468。

いい塩梅の勾配と、
千鳥(互い違い)に並んだ椅子のせいで、
前の人の頭に視界を遮られることなく
この日も一番うしろの席だったけれど、快適!

とにかく、台本(ストーリー)、出演者、音楽、
どれも秀逸、しかもバランスがいい。

もう一度観たい場面、かみしめたい言葉の数々…

プロローグ
まだ暗い中、ピアノの音だけが聴こえ、
(舞台の上手(向かって右)の袖で演奏)

その時点で「きっとこれはいい!」と
ゾクッときた予感は確か。

貧しい人たちのために奔走する吉野作造とその弟、
それをとりまく人々、って総勢6人。

真面目な話かと思ったら痛快です。
気持ちのいいセリフ多々。

冒頭のお布団敷くシーンから、すっかりはまってます。
当時の曲をアレンジした宇野さん、
然な流れの振付は謝 珠栄さん。

セリフが、ちゃんと届いてくる、伝わってくる。
あの快感に酔いしれたくて再び!

「父と暮らせば」の辻萬長さんが作造、
「この森で、天使はバスを降りた」の好演が印象深い剣幸さん。
生まれ変わったらこんな奥さんになりたい!と憧れちゃう賢夫人。

「日本にもうすでになければならないのに
 まだないものを一人でやろうとする病にかかっている」
という

吉野作造に会ってきます♪


兄おとうと ~吉野作造を知っていますか
兄おとうと ~吉野作造を知っていますか posted by (C)kikimimiya
「ひょっこりひょうたん島」を見て大きくなった
世代にはとにかくツボ!  と書いたのは2009年に再演された
この作品をはじめて観た時でした。井上ひさしさん、ご存命の時。

感動のあまり、相手を変え、3回観た「兄おとうと」
すっかり惚れ込んだこの作品を娘と二人、観て来ました。

お芝居の楽しさは同じなのに
(再演と同じキャストで感激でした!)
心に残るシーンが大いに変わりました。

東京新聞の劇評に

大正デモクラシーを代表する著名な政治学者で、
民本主義を唱えた吉野作造(辻萬長)と、
兄とは考え方がかけ離れた高級官僚の弟・信次(大鷹明良)を中心に
さまざまな人間模様を描く。

「政治は、国民の考えにもとづいて行われるべきだ」
「いかなる場合も憲法は法律に優先する」といった台詞が随所にちりばめられ、
国の在り方を論じる とありましたが、

出演された辻さんも
「初演の時は、憲法の問題はそれほど意識はされていなかったと思う」

「へそくりソング」「夢の街 天津」等、そうそう、コレコレと
コミカルな歌と踊りの楽しさはもちろん変わらないけれど。

憲法について、前回でも述べられていたほずなのに
私ったら、お恥ずかしいことにほとんど記憶なし。

兄弟の立場の違いから軋轢があるけれど、
妻たちの取り成しもあり、やはり兄弟なんだなという
見方しかしていなかった2009年。

今回は、なりふりかまわず奔走する吉野作造にはもちろん心酔しますが
国という制服を着ているが故に、理想に生きる兄を諌めねばならない
弟のつらさも沁みました。(レミゼのバルジャンとジャベールのようで)

「いいねー、エリート官僚で!」と
本来ならば、うらやましがられる存在のはず。
ところが、こんな兄を持ったら、
さぞかし職場で肩身が狭かったでしょうね。

その妻役の高橋紀恵さんが愚痴は言わないけれど、
時折見せる寂しい表情に打たれますが、
彼女を支えているのは作造夫人である姉。

作造窮地の折には弟(妹)宅に身を寄せ、助け合う間柄。

事実どおりの設定ではありますが、
身内がゆえに相手を思いやりつつも己の主張を通すため
他人の場合よりも数倍問題に向き合わざるを得なかったのでは。
けれど、そういう姿勢こそが肝要ではないかと感じました。

(と、ノーテンキな私でも理解可能な訴求力はミゴト!)

この2組の夫婦に関わる人たちを5場5役演じ分ける
小島尚樹さん、宮本裕子さん共々、素晴らしい。
適役、って言葉がいらなくなるような、際立つ存在感。
2009年よりもさらに深みが増した気がします。

「病気になったら錦糸町の賛育会病院へお行きなさい」
と劇中にもあるその病院、2014年の今も評判が良いのは
奇跡です。

作造の志を継いだ職員一人一人がどの患者さんにも丁寧に接し、
下町の人々に愛され続けているようです。

お見舞いで訪れた折に見かけたポスターには、
患者側からの希望により「患者様」という呼称から、
親しみを感じる「患者さん」と改めますとありました。

「みんなに明るい未来」など無理では?
という不安を拭ってくれる確かな希望です。

おにぎりを国にたとえて、何を芯にすべきかと論ずる兄弟。
最後にたどり着いた答。

集約すると
「三度のごはん きちんと食べて 火の用心 元気で生きよう きっとね」


「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、
ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめにかくこと」

の井上ひさしたる言葉でした。

きな臭いニュースの多い世相ゆえ、拍手にも力がこもっていたような。
それでもカーテンコールは一度だけ。このアッサリ加減も好きです。

幕が下りたあと、ドアが開いてからも朴さんのピアノは続いていたので
耳を澄ませていると、曲の終わりに拍手をする人が他にもいました。
いいピアノでした。

(写真は舞台と関係ないです。帰ってから食べた神奈川県産 紅まくら。
 初めてでしたが、甘くて美味しかったです。冷蔵庫にもしまいやすい)

(2014年8月17日(日)〜8月31日(日)新宿南口・紀伊國屋サザンシアター)





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最終更新日  September 1, 2014 05:01:43 PM
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