2/18 『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』Brillia HALL
(c)HORIPRO劇場にはいってすぐ思ったことは仲蔵のニンベンだけ赤これは 中蔵が仲蔵になっていく芝居なんだなって、チラシやテレビ等でロゴは見たことはあったけれどその時は衣装や化粧に目がいってたからこうして改めて見るとね。(c)HORIPROそして このビジュアル観て思ったのはドラマの仲蔵とは違うそして落語や講談の仲蔵でもなく藤原竜也にしか出来ない藤原竜也の仲蔵の芝居なんだってことやっと手に入ったチケットは2階の3列目 上手悪名高い劇場なのでオソルオソル 席に着けばなんと!舞台上に組まれたセットは正方形に近く 両端には何もないからこれなら見切れはないでしょとホッ!お正月 伯山さんとの対談で観たような3階建てのセットが組まれていてそこが楽屋その前のフラットな面が芝居小屋だったり奈落だったり稽古場だったりなんにもない分、転換が楽役者の演技力と観客の想像力が頼りこういう芝居は好き観始めは、NHKのドラマにも出ていた高嶋政宏さんが違う役だったので ちょっと混乱ドラマはね。そりゃカンクロさんに萌音ちゃん、市村さんから蓮司さん...豪華キャストですから悪いわけはない。ただ、小説のファンとしては明るく健全で物足りないのは否めない。でも、予習の意味で見直したら夫思いの健気な女房と二人三脚の微笑ましくて良いドラマ好きです😊東京公演は終わったけれど、他の劇場はまだ上演中なのであんまり詳しく書けないけれど脚本の源 孝志さんはなにしろスゴイです❗️NHKのドラマと同じ脚本家さんテレビと舞台媒体によって書き分け、しかも両方傑作って!お陰様で舞台でしか藤原竜也でしか出来ない作品が観られました。形にしてくださった蓬莱 竜太さんにも感謝自分ではどんな役がいいとか、悪いとか役のより好みなんてなくて(蜷川さんが)やれ!と言ったらやるしかなかった失敗したら それでオシマイと言う竜也さんの言葉に対談相手の伯山さんがおっしゃてましたが愛ある厳しさは必要蜷川さんから逃げないで向き合ってきた藤原竜也さんに仲蔵をやってほしいと思っていた手塩にかけて育ててくれた恩人は厳しい指導で有名な演出家(劇中でも灰皿飛んでました。オマージュ😅)パワハラだ、コンプラだの時代になんて親孝行(蜷川さん孝行)な竜也さんでしょ役者の階層を表すように3階に團十郎さんがいるんだけど(江戸時代はそうだった)私が歌舞伎を観始めた頃は名題以下の役者さんは、楽屋が3階にあるから「3階さん」と呼ばれていた。ゆえに逆に違和感を感じてしまった!┐(´∀`)┌ヤレヤレコン太夫の成志さん。ドラマの鋼太郎さんと蓮司さんを併せたようなお役『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』でジドラーを演じた橋本さとしさんにも感じたけど成志さんもシリアスな芝居の中でいい塩梅のブレイクになって楽しいんだけど本編からは逸らさないその匙加減が絶妙!『アテルイ』で好きになった植本純米さんは『ジョン王』の時も印象的でしたがここでは、稲荷町のみんなをまとめる人に徹していた気がします。稲荷町の役者役の方たちもそれこそ、仲蔵のように悪戦苦闘してお稽古を積んでくださった甲斐がありましたね。いろんな演目を再現してくれたから歌舞伎を観たことがないお客様もいっぺん歌舞伎座で今の演目の全体を観たい!って興味を持ってくださったと思う。尾上紫さんの志賀山お俊がめっぽう良かった!養母でもあるけれど厳しく踊りを仕込んだ師匠でもあるお俊。優しいおっかさんが踊りを教えてる時には鬼に変わる。そこから逃げるための口実が「役者になりたい」座元の勘三郎夫婦に気に入られて仲蔵の役者人生が始まる。だけど仲蔵に踊りの才がまるでなかったら、下剋上もへったくれもあったもんじゃない。だからお俊の存在はダイジなんだ。この芝居の中のたった一人の女性が尾上紫さんで良かった手を出しちゃいけないものに手を出したと顔色を曇らせて言っていた時期もあったのに藤原竜也さん!あの、スピード違反の言い立てはなんでしょ!あんなに早い『外郎売』の口上は聞いたことない。ダイジョブかな、間違えてない?と耳を澄まして確認するこちらの聞き取りが間に合わない速さ!『外郎売』の口上を練習した人ならわかる。これはムズカシイ早口言葉の羅列で一つ言えたとしても次は言いづらい、かろうじて言えたとしても全く歯が立たないのが控えていたりするそれが延々と続いていくいつ終わるともしれない苦行。ご見物を楽しませたいそれにはどうすればよいかと仲蔵が乗り移ったのでしょうか!『外郎売』の口上がなくても市原さんの三味線がなくてもじゅうぶん 素晴らしい舞台だったけれど超高速口上も敢えて挑んだイッチーも難しいからこそ 挑みたくなるストイックな役者バカがいてくれてそしてそれを観ることが出来る私達はなんて シアワセなんでしょう。あ!思い出した『天保十二年のシェイクスピア』の時にブログに書いてました。圧巻は明治時代の初翻訳から 今日に至るまでのハムレットの有名なセリフ「to be or not to be」をスラスラと全部披露するシーン。2005年、私が舞台で初めて観た時から藤原竜也さんはずっと 努力をし続けてきた人でした!Lastは、金井三笑の今村明彦さんを観てました。『おのれナポレオン』その前は達也さんと共演の『エレファント・マン』関わり方というか、存在の仕方が素敵だなと思って。今回の三笑もそうでした。作品に深みを与えてくれる役者さんですね。テレビなら主役のアップであるところを自分の気になる人、見たいことろが選べるのも舞台の良いところ梅彌さん、いてうさん歌舞伎役者のお芝居として説得力を持たせてくださってありがとうございます。この素晴らしい作品を支えてくださったのが勘三郎さんに近い方であることがファンとして とっても嬉しいです。