四月大歌舞伎。「空海」と「逸勢」に会えました。
新作の「空海」が観たくて、待ちに待った夜の部。最初は、仁左衛門さんの毛谷村。六助のニザ様のチャーミングなこと。孝太郎さんとのコンビは最高の親子コンビ。圧倒的な満足感。どんな演目を観ていても。いつも、席を立つときに思う。いいものを見せていただいてありがとうございます♪さて、高野山開創一二〇〇年記念夢枕 獏 原作戸部和久 脚本齋藤雅文 演出新作歌舞伎幻想神空海(げんそうしんくうかい)沙門空海唐の国にて鬼と宴す空海の名前は知っているけれど、どんな人かはよくわからない。若き日、空海(染五郎)と逸勢(松也)が、長安で初めて丹翁と出会うシーンのキラキラ輝いている楽し気なシーンが好きだな。未知の世界での不安より期待が勝っている。大きな夢と自信をまとった二人がいいな。ラスベガスや歌舞伎NEXTで常に挑戦する染さんや「あらしのよるに」やコクーン歌舞伎の「三人吉三」で歌舞伎のお兄さんたちに迫る勢いを見せ、浅草では弟達を引っ張ってきた松也君と重なって見える。幻想的な楊貴妃の登場シーン。新・雀右衛門さんは日に日に芝雀から雀右衛門に変わっている気がする。芝雀でも先代雀右衛門でもなく、当代の雀右衛門として進化しているところが観られるのはタノシ。妖しく美しく哀しい楊貴妃。歌六さんや彌十さんが大人の渋い魅力、梅丸君や米吉君が若々しい華やかさ、書きたいことは、たくさんあるんだけど…ワタシ的には種之助君。女形を初めて観たので配役を見直すまで、気づかなかった!女形もいいんだ!と知って収穫、収穫。ラストにちょいと出てきて、あの大きさを見せる幸四郎さんの皇帝も忘れてられないわ。あの舞台の幻想的な光景を思い出しながら原作を読むと楽しいだろうな。