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株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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政治の奥深い考察

今回の選挙がなぜ起こったのか、何が小泉首相を突き動かしているのか、そう
いった視点で少し書いてみようと思う。今回の選挙の最大のポイントは言うまでも
なく「自民党の改革」にあるという点にみなさん、気づいただろうか。言い方を
変えれば、自民党内の内紛そのものが、今回の解散総選挙を引き起こした
直接の引き金であり、一般的に想定できうる解散の理由として挙げられる
野党との政策論議などが解散の引き金ではないからである。今回、その
きっかけともなったのが今回政策争点ともなっている郵政民営化法案。採決前後で
少し興味深いことがあったことをここで指摘しておきたい。

郵政民営化法案という法案は今回の衆議院解散の引き金となっただけでなく、
小泉首相が命をかけて達成したかったという言葉を残したことからも分かるように、
どの政策よりも重要な法案なのに、小泉総理自らが自民党議員の説得には一切当たらず、
実際に説得にあたっていたのは、森氏、青木氏などであった。そんな首相の
行動からは、郵政法案を成功させよう、というような強い思いではなく、とりあえず
賛成派を集めよう、というようないわば他人任せのような印象を受けた。しかし、
参議院で否決され、衆議院を解散してからの総理の行動は採決前とは全く逆で
あった。衆議院を解散してからこそ首相は精力的に動き出し、もともと想定して
いたかのように、矢継ぎ早に次々と手を打っていくところを見ると、法案否決、
衆議院解散後こそが、小泉首相にとっての本番であり、目的ではないかと
思われるのである。もしかしたら最初から郵政民営化を踏み絵にして党内の
「抵抗勢力」をあぶり出し、氏名を明確にするための賛成・反対派の区分けを
し、それらの候補者にとどめを刺そうという思惑だったのではないか、ということ
が今回の行動から透けてみえる。

次に小泉首相の解散の目的について、もう少し考えてみようと思う。米国
大統領制のような官邸主導で政治を進めるには、党内を浄化して同志だけ集め、
官邸と一丸となって動いてくれる党を作る事が不可欠だと考えた可能性が高い
のではないだろうか。今回の解散総選挙は、郵政民営化そのものが目的では
なく、官邸の意志通りに動く自民党作りが目的だったとすれば、彼が2001年に
総理大臣になってからの行動、採決前後の行動の違いに一貫性が見えてくる。
2003年の総選挙のときには年齢制限を設けて、中曽根元総理や宮沢元総理と
いった党の長老達を引退に追い込んだ。一番自民党への影響力を持ち、そして
温故知新に消極的な勢力の排除に成功したのは記憶に新しい。また、今回
造反者に対して、刺客を出す行動をみるともはや党内で自分に反対出来る
ような勢力はもはやどこにもいなくなるということになる。小泉党と言われる
のは無理もない話で、イエスマンがどんどん増えていくのが今の自民党だ。
しかしながら、本当に、本格的に政治を変えるのであれば、会社組織と
異なりこれが正統派なのかもしれない。

1999年に小泉氏が『郵政民営化』という本を出したのはご存知だろうか。
その時、小泉氏以外の執筆者で政治家は全員、野党出身者だった。この点
から、小泉自民党というよりも小泉氏自身が既得権益でいっぱいの自民党に
対して対戦を申し込む、倒しにいく、そういう意味では民主党が自民党に対して
接している姿に限りなく似ている。しかし、預入限度額を1,000万から700万円、
500万円と段階的に上限を低くしていく民主党案のその現実性には首を傾げ
ざるをえない。これは以前にも書いた話ではあるが、どうやって1000万円入金
している預金者に減額を促し、そして減額を強制していくのか、その部分の詳細な
政策があまりにも甘い。そういった規制を施行するよりも、郵便貯金は民間より
低い預金金利しか提示できないように政策的に規制する方が、より市場原理が
機能する形で郵貯の規模縮小が図れるのではないかと思う。自発的に人々が
資金を移動するように仕向けることが重要であって、強制的に預金者の預金額の
上限を低減させ、資金移動を強要することがナンセンスであることは素人の
私でも分かることなのだが。

こうして振り返ると、小泉首相は自分でも「非情」と表現しているくらい凄いことを
やってきた。例えば、彼が2001年に総理大臣になることを可能にしたのは、
小泉氏と政策協定を結んだ亀井静香氏の支持であったが、小泉氏は総理大臣に
なった途端この協定を無視し、亀井氏はただの抵抗勢力と呼ばれ、小泉改革の
反論者として祭上げられた。今回の郵政民営化問題でも、森・青木両氏を
参議院での可決に向けて、議員の説得に全力を注がせながら、ある意味では
森・青木両氏をこき使いながら、法案が否決されると周りの説得を聞くこともなく、
早速解散に出て、総理自身で精力的にシナリオを進めて行った。森・青木両氏も
また、一つの舞台作りの上での捨て駒として使われてしまったのだから。そう
いった意味でどこまでが仲間でどこまでが敵か、いつから仲間でいつから敵か、
その辺はいまだよく分からない。まだまだ政治の混乱や再編はあり得るだろう。
政治的に大きな波乱があって、改革と保守がもう少しきれいな形で落ち着くのが、
政界再編の終点となるのではないかと思う。そのための大事なステップとして、
今回の選挙がひとつの大きな山場となることだろう。そして民営化反対派であり、
刺客を送られた側の元自民党の諸先生方の今後の動きにも注目しておきたい。
もちろん刺客側の選挙素人候補者の勝敗についても。

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