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テーマ:ミステリはお好き?(1430)
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オランダでの思い出。
なんて書くと私の生まれがオランダだったとか、オランダに留学したことがあるみたいに思われるかもしれないが、私にとってのオランダの思い出は10時間弱しかない。 そう、私のオランダでの思い出は、 以前にイタリア旅行した時の乗り継ぎの為に滞在した行きと帰りのトータル10時間弱のわずかな間だけなのだ。 なので、正確には「オランダのアムステルダム空港での思い出」と言うのが正しかろう。 しかしながら、わずかな間のみの滞在だったオランダだが、 なかなかどうして旅行の目的地であったイタリアに匹敵する位思い出深かった。 それというのも旅行先がイタリアだった為、イタリアのことはある程度下調べをしたのだが 単なる乗り継ぎと思っていたオランダは全くのノーマークだった為に 驚くことが多かったからだ。 まず、驚いたのがオランダ人はでかいということだ。 男女ともに背が高い。 お店の店員さんもみんな背が高いのだが、中でもスチュワーデス(とはもう言わないんだっけ?)や、パイロットの方々の背の高さは格別だ。 背が高いというかもう骨格から違う感じ。 すらりと高いというより、大きいという感じでした。 しかも美男美女だったりするので人種の違いをまざまざと見せつけられた気がしましたよ。 なんだか自分がホビット族でもなった感じだった。 うーむ、オランダで格闘技が盛んな理由が分かった気が・・・。 そして、何よりも驚いたのは食べ物が!食べ物が! ま、まずい・・・。 料理はその国の味というものがあるのだから、私の口に合わないだけなのかもしれないが なんだろう、この大雑把というかだいたんというかあまり深く考えていないような味というか、繊細な味が決めての日本とかけ離れた味のハーモニー。 いやハーモニーではなくもう味がファイティング。 だって鶏肉とパプリカとお豆の料理の味がドンタコスだったし。 ドンタコスはスナック菓子としてはおいしいけれど、 料理の味がスナック菓子なのはちょっと・・・。 いや、むしろドンタコスの味が本物に近くて凄いのか? ムースみたいなデザートもただ甘い上に追い打ちを書けるように甘いジャム乗っかってるし。 イタリアの食べ物がおいしかっただけに衝撃も大きかった。 恐るべしオランダ人。 この食べ物を食べてみんなあんなに大きくなったとは。 しかし、置物やおもちゃなどのお土産の質はイタリアより高くて良いものがいっぱいだった。 イタリアのお土産よりもいっぱい買い込んでしまったし。 そんな訳で、驚くことが多かった未知の国オランダ。10時間だけではもったいない。 いつか(空港だけでなく)行ってみたい国のひとつになったのは言うまでもない。 「漆黒の王子」は横溝正史賞を受賞した作者の受賞後第一作のミステリー。「砂の城の哀れな王に告ぐ。私の名はガネーシャ。王の側近と騎士達の命を握る者。要求はひとつ。彼ら全員の睡眠を私に差し出すこと。」 とある暴力団を次々に狙う「ガネーシャ」と名乗る連続殺人者。その殺人方法は眠ったらそのまま死んでしまうという奇妙な殺し方。 対して街の地下の暗渠に住む7人の浮浪者達。彼らは中世オランダで実在した職業名を「王子」に与えられ暮らしていた。そこに怪我をした「わたし」が迷い込む。 暴力団達の上の世界と暗渠に住む浮浪者達の下の世界の話が交互に描かれたミステリー。 私が今おすすめのミステリーとして一押しなのがこの本で、各所でも散々勧めて来たというのに、自分のブログには感想を書いてなかったという私のきまぐれっぷり。しかしやっと感想書けました。というのも、おすすめ過ぎるので思い入れがあり過ぎて書くのがなんとも難しかった本でもあります。そして、リンクさせていただいている「しゃんテン」さん、「Pump!」さん、「水の時計」でTBを付けて下さった「donmabo」さんのサイトでこの本の素晴らしい感想が書かれているのでみなさんくらい素晴らしい感想が書けない私は何を書いて良いのかとても困ってしまうのです。 ミステリーなのでトリックのことをネタばれしない程度で言えば、「眠ったら死ぬぞ!」的な殺し方の真相は私は全く予想が付かなかったです。まあ、すごい驚いた真相だった訳でもないのですが。そして話全体の真相は少しややこしかったような気もします。一度読んだだけで全てを理解するのは、少し難しいかも。 では、何が良かったのかと言うと、ずばりこの作品の舞台というか雰囲気でしょう。上の世界では街がモノトーンのようなイメージで描かれているのに、それとは対照的に街のあちこちにいる色とりどりのインコやオウム達。モノトーンの背景にそこだけ色を付けたような鳥達の不思議な風景。しかし実は色を持つ鳥達が前面で、その背景ではモノトーンの街のモノトーンの登場人物達が影のように走り回っている。いいじゃないですか。 そして下の世界では「王子」「ブラシ職人」「時計師」「墓堀り」「坑夫」「楽器職人」「画家」と名乗る人々。それらのネーミングがヨーロッパの童話チックでとても私好みです。「水の時計」といい、この作者は童話の世界を物語に上手く取り入れていて良いですね。そしてタイトルと表紙がこの物語のモノトーンなイメージにマッチしているのも良いです。欲を言えば、本をぱらぱらとめくると上の世界の下の世界が紛らわしいので、ふたつの話で字の色変えるとか何か工夫があると更に良かったかな。 なかなか私の感想ではこの本の良さが伝わらなかったかとは思いますが、この世界は是非みなさんに味わってもらいたいです。読んでいない人は是非おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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