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いま、英国では1日中、どこからともなく、この単語が聞こえてくる。
「へんまん」 TVをつけると、 「へんまん!へんまん!」 売店で新聞の見出しを見ると 「へんまん!へんまん!」 へんまん=ヘンな男。なんだそりゃ? ヘンマンとは、ティム・ヘンマン。 英国人のプロテニス・プレーヤーである。 いま、プロテニスのウィンブルドン選手権が開催されている。 「ウィンブルドン現象」 という言葉を聞いたことがある方も多いだろう。 これは元々、ウィンブルドン選手権で、地元英国選手がさっぱり活躍しないで、外国勢ばかり活躍するのに盛り上がっている様を表現したのが語源だ。 なにしろ、男子シングルスで1930年代以来英国選手が優勝してないらしいから。 この現象と、 近年英国の銀行や大企業どんどん外国資本に買収され、英国資本の企業が国内になくなってしまったのに、英国内は景気がよく、雇用も維持されている現象がよく似ているため、 「ウィンブルドン現象」と呼ばれるようになった。 ティム・ヘンマンは、この英国人がさっぱり活躍しないウィンブルドンで、英国人唯一の期待の星だ。 なにしろ昨年まで4年連続男子シングルス準決勝進出。 今年こそは優勝をと期待されている。 彼は世界ランク10位前後の選手なのだが、ウィンブルドンだけはめっぽう強い。 その秘密は、彼のプレースタイルにある。 彼のプレースタイルはサーブ・アンド・ボレー。 要は、強いサーブを打って、相手の形を崩して、前に出て行ってボレーで決める。 このプレーがウィンブルドンのコートにマッチするのだ。 ウィンブルドンのコートは芝生。芝生の上だと、ボールがよくすべるので、強いサーブはより威力を増す。よって、サーブの強い選手が有利となる。 逆に、全仏オープンが開催されるローラン・ギャロスは土のコート。 ここではボールが滑らず、サーブ・アンド・ボレーよりストローク・プレーヤーが有利になるのだそう。 よってウィンブルドンではめっぽう強いヘンマンは、全仏ではさっぱりだめ。 ついに今年は、欠場してしまった。 。。。。。。。以上、 テニスに詳しいR太郎君から聞きました。 ヘンマンは現在3回戦を突破。今日4回戦を戦う。 しかし、私がどうにもすごいなあと思うのは、英国人のヘンマンに対する応援の仕方だ。 新聞を見るとその見出しは 「ヘンマン、もう優勝決まりだ!」 「ヘンマン!優勝以外ありえない!」 「ヘンマン、勝つに決まっている!」 「ヘンマン、全く死角なし!」 。。。。こんな感じである。 とにかく、ヘンマン100%支持。 いや、もちろんプロの解説者は、シビアな分析をしているのだが、 それ以外の国民は一点のかげりもなく、ヘンマン優勝を信じているように見える。 これまで四大トーナメントで優勝したことがないのだから、「優勝決まり!」ってことはないと思うのだが、これが日本なら誰も本気で優勝するなど考えないところだ。 しかし、英国人という人たちは「今回は勝つ」と思い込んでしまえるようだ。 これと同じような英国人の様子を以前見たことがある。 そう、昨年のサッカーW杯だ。 この時の英国人(正確にはイングランド人)は老若男女とわず、 「イングランド100%支持」 「エリクソン監督100%支持」 「ベッカム100%支持」「オーウェン100%支持」 であったように見えた。 日本のトルシエ批判のようなものが大会中に起こる余地はここイングランドにはなし。 一点のくもりもなくイングランド勝利を信じ切る。。。。 そこにはなんの理屈もなく、 あまりにも単純、あまりにも純粋。。。。。 しかしながら、このかつての小泉首相もびっくりの「100%の支持率」も、 いざ負けてしまうと、あっという間に消える。 ここも日本と結構違うと思うのだが、 彼らは負けたことをいつまでも厳しく分析したり批判したりしない。 負けたら、はい終わりである。 次に行きましょう!である。 W杯も、イングランドが勝ち進んでるときは大騒ぎだったが、ブラジルに負けると次の日からもう人々の関心はウィンブルドンだった。。。。 実にあっさりしている。 今年、ヘンマンはどこまで勝ち進むのだろうか。 このヘンマン100%支持は、ものすごく盛り上がり楽しい。 私も彼が負けるまで、英国人といっしょにヘンマン100%支持で盛り上がろうと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年06月30日 21時15分25秒
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